乳がん、子宮体がん(発症時:45歳) 収録時:71歳 女性 総時間:10'13" |
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目次
00'03" がんとわかったきっかけ
01'17" がんと知った時の気持ち
03'16" 支えとなったもの
04'25" 治療(手術や入院)について
08'01" 職場や周囲の人との関わり
08'18" 患者会、リレー・フォー・ライフ
09'20" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~
00'03" がんとわかったきっかけ
――がんということがわかったのは?
45歳ですね。バイクに乗っていろんな所に私、出掛けますけど、その時すごく、なんか右腕に、重たい感じを覚えまして、そして、胸の辺りもなんかこう、痛みというか突っ張る感じがして、「なんか変だな」ということで。あまりその、乳がんという考え、その頃はまだ持っていなくて。でも、なんかこう、さわってみて、痛みが伴いそうな感じがするし、病院に行って検査を受けました。もう、乳がんでないことを望みながら受けましたけど、「乳がんです」っていう結果を頂いた時には、もう考えが全然まとまらなくなって、何をどうしたらいいのか、ぼーっとした気持ちだけで、その前後をはっきりとは覚えてない感じですね。
01'17" がんと知った時の気持ち
――それまでご自分とがんというのはどんなイメージでありましたか。
いや、考えてなかったです。もともと健康体。怪我した時の入院ぐらいで。風邪をひいても自宅で何日か寝て治るぐらいのもので。病気で病院に行ったということはほとんど記憶にない感じで。なにがって、元気が取り柄の私でしたので。自分自身ががんっていうことは、一切考えたことがない状況で、そのがんの宣告を受けたので、もう頭の中が本当に真っ白な状態で。入院までの期間、「荷物を整理しなきゃ」というのと、でも「生きて戻りたいからこのままでいい、また元の生活をするんだ」っていう気持ち。死んじゃうかな、っていう気持ちもありながら、でも、それを打ち消すことで、なんとか入院という日を迎えて。入院している間は「しょうがない、なんとか元気になって出よう」っていう気持ちでしたね。
――ご家族には話されたんですか。
兄弟には言った。あと、子供たちにも、みんな言っていきましたけど。他の周りにはほとんど言わない状況で、ずっと過ごしてきました。
――どういう心境があったんでしょうか。
がんであるということが周りにばれたら、絶対嫌だな、っていう、自分は健康できてる、っていう、元気、っていう感じでずっと通していたもので、それが、がんで病気です、っていうことは言いたくない。ただそれだけの一心で。
03'16" 支えとなったもの
それが23年目に『リレー・フォー・ライフ』っていうのがありましたんですよね。その時に新聞に「親子3人でがんです」っていうことで取り上げて頂いて、新聞紙面にちょっと写真載りましたので、ちょっとドキドキもしましたけど、新聞に出るっていうことは「ああ、分かられるな、知られるな」っていうことで心配もしたけど「もういいかなあ」の気持ちの方もありましたので、その写真が載ることもいいですよ、ということでお受けして、おかげで、今は気持ちが楽な感じでいられます。
『よろこびの会』に入って、その中ではいろんなお話ができて。『よろこびの会』と『リレー・フォー・ライフ』は私にとって、すごく生きる力になって、現在過ごしていることができるんです。2回目3回目のがんの時もやっぱし、あの『よろこびの会』の会員であるってことが、すごい私には力になりましたんですよね。
04'25" 治療(手術や入院)について
――がんは2回目もあったんですか。
最初のがんから15年経って、今度は、反対側の乳がん、発覚しまして。
そこから3年して、今度は子宮の方の体がんの方にかかりまして。3回目の体験を済ませて、今はまず一応、元気で暮らしていることができます。
――その都度、手術や抗がん剤治療もされたんですか。
2回目の時は、抗がん剤治療はなくて、放射線治療とホルモンの方の療法で済ませましたけど。3回目の体がんの時は、抗がん剤をやりましたけど、3回の予定を1回の抗がん剤の治療だけで止めました。抗がん剤治療が私にとって苦しみの方が強くて。それでもう、2回目3回目は「よろしいです、止めます」って先生にお伝えして、1回の抗がん剤だけで終わりました。
――2回、3回、3度のがんを経験した時にはどんなお気持ちでしたか。
2回目の時はですね、1回目の時から15年目に発症ですので、15年生きてきたんだから大丈夫だ、っていう思いで、最初の時に受けたショック程には落ち込まないで、割りかし、素直な気持ちで手術を受けることができました。3回目子宮の方の時には「え、また?」っていう気持ちで、違う部位でショックも2回目より、また違う感じのショックを受けて。
――ご自身は3度のがんを経験した上で、治療に関しては全て納得してスムーズに進んでいったんですか。
そうですね。最初の時は、全然、そういうがんに対しての知識も何にもなかったので、お薬も3種類、最初からずっと頂いて定期的に通って、5年目位かな、先生の方から「お薬もう止めましょうか」って言われた時に、「1個ずつ徐々に減らすことにしてお願いします」ということで、6年ぐらいお薬飲み続けましたね。2回目の時には、ちゃんと説明、これはどういうふうな治療で、どういう療法、あとすれば、何か月位どうですよ、っていうことも伺って、納得の上での部分切除で。放射線治療、ホルモンも続けるということ、すごいはっきりと自分の中でわかった上での治療でしたので、3回目の方も、結局抗がん剤1回で終わりましたけど、定期的な検査を受けるっていうことで、納得して今のところ過ごして、今、お仕事もできていて、大丈夫な状態でいられます。
08'01" 職場や周囲の人との関わり
――今もお仕事をされていらっしゃるんですか。
会社の方で「いいですよ」ということで、病気のこともわかってくれた上での、仕事をさせて頂いてましたので。そこはありがたく、通わさせて頂いてます。
08'18" 患者会、リレー・フォー・ライフ
――長年がんということを周りに伝えられずにいたものが、あることがきっかけで、そこからは気持ちも随分変わったんですね。
はい。『リレー・フォー・ライフ』がなかったら、私、まだ自分の中でがんという殻の中に閉じこもった状況で、周りにはお話、乳がんのお話なんか出て、マンモとかって検査すると痛いよね、おっぱい挟まれると痛いよね、って話をしてるのを聞くと、言いたいんだけど言えない自分がいましたけど、今ではそういうお話を聞いても、検査受けた方いいよ、っていうことは素直に言えるようになりました。私にとって『リレー・フォー・ライフ』で夜の空を見ながら日にちをまたいで歩けるっていうことが、「ああ、今年もまた元気でいられた」。そういう思いで皆さんに感謝しながら、今生きております。
09'20" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~
――ご自身のがん体験を、一番伝えたい部分というと。
私はそれまで、検診は、受ける、っていうところ、もってなかったんですよね。ですから、今、やっぱり、検診、町内の方とかでも「検診受けて下さい」っていうパンフレット、回ってきますので、皆さんにはやっぱり「検診が大事ですよ」っていうことを覚えて欲しいなあ、と思います。私の、2回目が分かったのも、定期的に検診受けに行ってましたんです。それ、行ってなかったら、自分で自己検診だけではちょっとわからなかったかも知れないですので、検診受けて欲しいです。