1 青森県の平均寿命

 青森県の平均寿命は、男女ともに全国最下位(図1)です。

青森県の男女と全国の平均寿命の推移を比較すると昭和40年からずっと青森県は全国平均を下回っていることを表した折れ線グラフ

図1 平均寿命の推移

(出典:平成27年青森県版生命表の概況)

 

 がんによる死亡率が高いことが、平均寿命に大きく影響(図2)しています。
 がん(悪性新生物)による死亡がなくなると、男性では4.07年、女性では3.15年、平均寿命が延びます。

青森県の平均寿命について「がん」による死亡を除くと大きく平均寿命が延びることを表した縦棒グラフ

図2 主な特定死因を除去した場合の平均寿命の延び

(出典:平成27年都道府県別生命表の概況)

 

 青森県の平均寿命が短い理由の一つとして、働き盛りの若い方が亡くなっていることが挙げられます。長寿日本一の滋賀県(男性)・長野県(女性)と青森県の年代別死亡率を比べてみても、青森県は、40代・50代の働き盛り世代の男性の死亡率が高くなっています。(表1)

青森県と滋賀県の男性、長野県の女性の人口10万人当たり死亡率を比較すると青森県は40~59歳の男性の死亡率が滋賀県の約2倍となってることを表した一覧

表1 年代別死亡率の比較(左:男性、右:女性)

(平成27年人口動態統計特殊報告 都道府県別年齢調整死亡率・年齢階級別死亡率(人口10万対、全死因、男女別)よりがん・生活習慣病対策課が作成)

 

2 青森県のがんによる死亡状況

(1) 青森県のがんによる死亡状況その①

 青森県では、昭和57年からがんが死因の第1位です。
 平成28年の青森県のがんによる死亡数の割合は、29.1%で、死因の第2位である心疾患の2倍の割合を占めることから、年間にいかに多くの方が、がんにより亡くなっているかわかります。(図3左)
 近年では年間約5,000人の方ががんで亡くなっています。(図3右)

青森県の死因別死亡数の割合で「がん」による死亡数が29.1%を占めており年間約5000人の方が「がん」が原因で死亡していることを表した円グラフおよび一覧表

図3 青森県の死亡の状況

(出典(図3左):平成28年青森県人口動態統計(確定数)の概況)

(出典(図3右):国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・がん統計」)

※参照:「平成28年青森県人口動態統計(確定数)の概況」(青森県健康福祉部健康福祉政策課)

 

(2) 青森県のがんによる死亡状況その②

 平成28年のがんの75歳未満年齢調整死亡率(※1)(人口10万対)は、男女計93.3、男性121.9、女性69.2となっており、いずれも全国で最も高い値となっています。(図4及び表2)
(男女計及び男性は、平成16年から13年連続、女性は平成24年から5年連続で全国で最も高い値)

※1 75歳未満年齢調整死亡率とは・・・
参照:「国立がん研究センターがん情報サービス」(年齢調整死亡率)
参照:「国立がん研究センターがん情報サービス」(都道府県別75歳未満年齢調整死亡率)

青森県および全国の男女別がんの75歳未満年齢調整死亡率の平成13年からの推移において青森県が男女ともに全国平均を常に上回っていることを表した折れ線グラフ

図4 都道府県別がんの75歳未満年齢調整死亡率年次推移

(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)

 

 

男女計
順位 都道府県 順位 都道府県 順位 都道府県
1 青森 93.3 1 青森 121.9 1 青森 69.2
2 秋田 87.4 2 秋田 115.0 2 北海道 66.4
3 北海道 85.6 3 鳥取 114.3 3 佐賀 64.0
全国平均 76.1 全国平均 95.8 全国平均 58.0
45 富山 68.3 45 三重 85.2 45 長野 50.6
46 山梨 67.6 46 山梨 83.4 46 富山 50.3
47 長野 62.3 47 長野 74.8 47 岡山 49.1

 表2 がんの75歳未満年齢調整死亡率都道府県順位(平成28年、値の高い方から)

(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)

 

 75歳未満年齢調整死亡率(平成28年)と死亡率改善率(平成18年-平成28年)を他県と比較した図を見ても、死亡率が高いだけでなく、改善率が低く、青森県の状況がいかに深刻かわかります。(図5)

人口10万人あたりの75歳未満年齢調整死亡率及び死亡率改善率において青森県がダントツで高死亡率であり低改善率であることを表した分布図

図5 75歳未満年齢調整死亡率(平成28年)及び死亡率改善率(平成18年-28年)

(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」よりがん・生活習慣病対策課が作成)

 

3 青森県のがんの状況

 平成25年において、男性では胃がんにかかる人が最も多く、大腸(結直腸)がんと肺がんがそれよりやや少ない状況でした。また、前立腺がんは肝臓(肝および肝内胆管)がんよりも多くなっています。(1位:胃がん、2位:大腸がん、3位:肺がん、4位:前立腺がん、5位:肝臓がん)
 女性では乳がんにかかる人が最も多く、大腸(直結腸)がん、胃がんがそれに次いで多い状況でした。また、子宮体がんおよび卵巣がんが子宮頚がんよりも多い状況でした。(1位:乳がん、2位:大腸がん、3位:胃がん、4位:肺がん、5位:膵臓がん)(図6)

部位別のがんの男女別の人数状況を表した横棒グラフ

図6 部位別のがんの罹患状況(平成25年の1年間でがんにかかった人の数を部位別に表した図です。)

(出典:青森県がん登録報告書平成25年分集計)

 

4 青森県のがんの特徴

(1) がんのステージ(※2)と生存率(※3)について

 がんが進行してからでは、生存率が格段に低くなります。
 早期受診の重要性を示す指標として、がんの生存率についての統計データがあります。(図7)
 この統計では、ステージ毎のがんの生存率がわかります。主要な5つのがん、すなわち、肺がん、胃がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんにかかった方の生存率は、初期段階であるステージⅠでは、約83%から99%と高いですが、最も進行した状態であるステージⅣにおいては、約5%から32%と、非常に低いです。

※2 ステージ(病期)とは・・・がんの進行の程度を示す言葉です。ローマ数字が使われ、数が大きくなる程病気が進行していることを示します。

※3 生存率とは・・・ある一定の期間経過した集団について、その時点で生存している患者さんの割合を示します。治療後5年以上経つと再発の可能性が大きく減るため、治療の目安にしています。

各種がんの病期別の5年生存率はステージが上がるごとに低くなっていくことを表した棒グラフ

図7 がんの病期別5年生存率

(出典:全がん協加盟施設調査(2004-2007年症例))

 

(2) 青森県のがん罹患率(※4)とがん死亡率について

 青森県では、がん罹患率が全国平均並みとなっているにも関わらず、全国に比べて人口当たりのがん死亡率が高いことがわかっています。(図8)

※4 がん罹患率とは・・・がんにかかる人の割合を言います。

青森県と全国の男女別がん罹患率と死亡率の比較した場合、青森県は全国平均より男女ともに高い状態にあることを表した表

図8 青森県と全国の比較 がんの罹患率と死亡率(全部位 左:男性、右:女性)

(出典:青森県がん登録報告書平成25年分集計)

 

 青森県のがん罹患率が全国並みなのに、死亡率に開きがあるのはなぜでしょうか。
 図9では、がん患者がどの段階でがんと診断されたかについて示しています。これを見るとわかるとおり、青森県は、全国に比べ、限局(つまり、最初に発生した臓器以外に全く広がっていない状態)でがんが発生している割合が少ないことがわかります。
 言い換えると、進行してからがんが発見される割合が高く、早期発見が少ないことがわかります。

全てのがん部位に関する診断時病期割合を青森県と全国で比較すると青森県は早期発見が少ないことを表した積み上げ横棒グラフ心配顔のマモルさんイラスト

図9:青森県と全国の比較 診断時病期(全部位(※上皮内がんを除く) 男女計)

(出典:青森県がん登録報告書平成25年分集計)