胃がん、子宮体がん(発症時:55歳)

収録時:62歳

女性

総時間:11'25"

下↓の▶ボタンをクリックして音声を聞く事ができます。

目次

00'03" がんとわかったきっかけ
01'10" がんと知った時の気持ち
02'08" 治療(手術や入院)について
03'35" 患者会、リレー・フォー・ライフ
07'18" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~


00'03" がんとわかったきっかけ

――どういったことがきっかけで病院に受診されに行かれたんですか?

痛みと違和感がありました。

――はい。

父親とか兄弟が、兄が がんで亡くなっているので、先生に「私、がんだと思うので検査してください」って言ったんですね。

――痛みと違和感とおっしゃったんですけども、具体的にどんな感じだったのかお聞きしていいですか?

お腹のあたりが、こう、痛みがある、たまになんですけど、おかしいおかしいっておもいながら居たんです。胃カメラ、やってくれたんですね。先生が、胃がんとは言わなかったんです、その時。で、胆石がありますよって。近くの病院に、紹介状を書いてただいて、で持って行ったんです。
 その紹介状を持って行った時点で、「胃がんと、胆石あります、手術します」って言ったんです。


01'10" がんと知った時の気持ち

――その時のご自分のお気持ちだったり、どんな感じだったんですか?

まー自分では、まあがんだってという頭の中ではこうあったんですけど、やっぱりがんだったんだていう感じ。でも「あーやっぱり胃がんだったんだー」って、もう、わかっていながらも、やっぱり、こう結果が出たときは、こうボーっとして、真っ白くなったりして。
 先生からがんだと聞いた時はもう、とにかく生きたいと思ったんですね。で、先生って生きたいのでよろしくお願いしますって。あの時はとにかくただ生きたかったね。生きたいと思いました。


02'08" 治療(手術や入院)について

――実際手術を受けてとか、その後の治療についてはどのような印象をもっておられますか?

やっぱり手術して一番、胃がないので、胃全摘なので1年間は食事療法という栄養士さんからのアドバイスありました。とにかく、病院にいるときはその指示に従って、大丈夫だったんですが、うちに帰ってからが大変でした。一人でこう食事療法とか、おかゆ、おかゆだいぶ1年ぐらい、私は一年くらい食べました。それでも仕事をしながらだと、そこのところ初めてなのでね、もう自分で大丈夫だと思って、職場でも、あの食事が出るので、私は自分のお弁当を持って行かなかったんです。そうするとやっぱりこう、時間が取られましたよね。思うように呑み込めない。胃がないから早く食べてはいけない、よく噛まないといけない。本当に、もう、30回以上噛まなきゃいけない。


03'35" 患者会、リレー・フォー・ライフ

――患者会というものを立ち上げられたと伺っているんですけども、その時の思いであるとか、どんなものですか?

3年たったら、また子宮がんになって、で、その時も自分でおかしいって、それこそかかりつけの先生に、あの先生こうだけど・・・男の先生だったから話しづらいんですけどあえて言ったんですね。「先生、こうだけど、おかしくない?」って言ったら、先生が「あっ、胃がん手術した人は卵巣のがんの傾向が強いですよ」って言われて、「ああ、そうですか?」って、紹介状持たないでもうすぐ行ったんですよ、婦人科に。そしてまあ、検査していただいたら、子宮体がんて言われて、で手術した。その時だと思うんですけど、待合室?入院室の待合室のところで、ある患者さんとお話ししたんです、そしたらその方はね・・・「屋上に行って何回も・・・自殺しようとしたって思った」って言うんですよ。で、その人の話を聞いたときに、私にも何かできるはずだと思ったんです。で、私は本当に教養も何もないので、で、だけど、こうやって人の話を聞いて一人でも、こう、生きて行くっていう気持ちが芽生えてくださればいいかなと思って、これが私の、それこそ天からいただいた使命であるって感じたんですね。それで、「サロン」立ち上げました。

――患者さんが集って、自分の想いであったり、話したり聞きあったりする場なんですね。

何もわからないところから、まあ、始めたんですね。最初はでも家族の方が、がん患者さんよりも家族の方が先に見えられました。はい、やっぱり家族の方もつらいんだなと思って・・・。
 がん患者さんの中でも、やっぱりこう、家族でも家族にも話せない、この場所では話せるっていう方もいらっしゃいました。そして、そうですね、帽子をかぶっている方でも今までは人前で帽子をとったことがないけど、ここで取ることができましたっていう方がおられて、サロンに来られない方は電話で1時間でも2時間でも話をして下さったり、そういう状態でいます。


07'18" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~

――がんを体験されて周りの人に伝えていきたいこととか、これは言いたいなとか、伝えたいなということはありでしょうか?

がんというのは、今は亡くなる方は本当に少なくなっていますよね?ですから私の場合は初期だったので手術すれば、がんは死ぬまでとはなんとも言えないですけど、これはね、でも、やっぱり早期発見が一番だと思うんですね。ですからせめて50、今は若い方々も、子宮体がん、頸がん、乳がんとか、いろんなことであるのですが、早期発見なので定期検診は本当に必要かなって思います。あの、何て言う、自分は絶対がんにならないっていうのは私もそうだったんですけど、本当に、あの誰もが何時どうなるかわからないです。ですので、本当にこう今振り返ると栄養面が偏っていたり、食べ物が偏っていたり、若い時小さい時から思春期になるまで本当に栄養が偏った時期があったりして、好き嫌いすることなく何でも食べてバランスよく摂ってくださればいいかなって思っております。がんは今本当に先生たちも皆さんがこうやってがんと向き合い戦い、そして、がん患者のために力を尽くしているというのが見受けられるので、後ろを振り向かず前を向いて、私は歩いて行ってほしいって思います。本当に、んー、あの、後ろを振り返っても何もいいことがないので、ただ前進あるのみっていう感じですね。

――早期発見をすれば、私達やっぱり、がんって聞けば怖いってイメージあるけどがんはきちっと治療すれば、その自分の人生を生きていくことができるっていう・・・。

そうですね、そう思います。医師を私は自分に与えられたその先生達を尊敬し信頼してゆだねて、ゆだねてってことはあれですけど、信頼してきました。ですからお互いに信頼し合うっていうのもやっぱり活力には、なってるのかなって思います。

――何かこれだけは言っておきたいとか、言い忘れたわとかそういうこと、もしあればと思うんですが?

一人で、とにかくがんになっても、一人で悩んでいないで、皆さんの受け入れる、居る場所があるのでそういう場所に出かけていけたらいいかな?とにかく生きてください。命ある限り、あの、生きてほしいと思います。