子宮がん(発症時:36歳)

収録時:73歳

女性

総時間:7'42"

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目次

00'03" がんとわかったきっかけ
00'47" がんと知った時の気持ち
01'33" 治療(手術や入院)について
03'10" 患者会、リレー・フォー・ライフ
05'09" 職場や周囲の人との関わり
06'07" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~


 

00'03" がんとわかったきっかけ

 

――37年前何がきっかけで病院を受診することになったんですか。

 

三番目の娘を妊娠してすぐ病院行ったんですよ。そしたら病院の先生が最低1年に1回は婦人科の検診した方がいいよ、って。娘生まれて3年目ですか、病院で検査しましたらなんでもなかったんですよ。で、健診センターに行ったんですよ。そこで見つかったんですよ。半年前は何でもなかったものが、半年後。そして慌てて病院行ったら、3人いるから先生「いいんじゃない、取ったら」って。告知はありませんでした。私には。



00'47" がんと知った時の気持ち

 

――どなたに告知がいったんですか。

 

主人ですね。あの頃はまだはっきり、本人には言ってないと思いますね。殆どの人。ただ、治療の段階で、私はがんだってわかったんですけど。

 

――がんかもしれないと思った時のお気持ちはどうでしたか。

 

真っ暗ですよもう。どうしたらいいんだろう、この子たち3人。

 

――その時のご年令は。

 

35歳です。あの頃は、がんと言えばもう「死ぬ死ぬ」と、今と違って。

 

――何か自分の身体で自覚症状ってあったんですか。

 

全然ございませんでした。おりものもない、何もない健康そのもの。なんにもなくて。



01'33" 治療(手術や入院)について

 

――治療は手術をされたんですか。

 

手術をして子宮を取って、卵巣を一個取って、一個はあまり若いからって残して、ただ、それも放射線かければダメになるんじゃないかな、って言っていましたけど。

 

――手術の負担もかなりあったんじゃないですか。

 

負担はね、一応元気で入院しましたし、術後はそんなにね、お腹ばっちり切りましたけども、ぴんぴんしていましたよ。

 

――無事に手術も終わって。退院後はどうでしたか。

 

退院、嫌だったね。心細くて。退院のちょっと前かな、退院の検査して、腎臓が今度、二つとも映らない、ってなった時は、また青くなってね。だから、やっぱり病院がすごく快い感じでいましたよ。本当に、家に帰る時はもう「わぁ、どうしようかな」…家に帰ってまた調子悪くなったら、そういうのいっぱい考えました。でも嬉しいけどもね。

 

――退院してからもしばらく通院は続いたんですか。

 

ずっと、3か月に1回検査して、それから半年に1回って。

 

――まめに検診を受けることになったのも、もとはというと、子宮がんが。

 

そうですね。もう絶対、検診は必要ですね。



03'10" 患者会、リレー・フォー・ライフ

 

――患者会の活動をされているわけですけれども、具体的にどんな活動なんですか。

 

『全国よろこびの会』があって、支部として、みんなで活動して助けてもらいながらやっていますけど。一年に二回、講演会ですか、医療者とか看護師さん、あとはタオル帽子。自分たちの時は髪の毛、タオル帽子がなかったんですけど、患者会始めて、患者、うちらの仲間が「こういう帽子作った方がいいよ」って提案して。これは1年に1回、4つの病院に寄付しているんですよ。

 

――タオル帽子ってなんですか。

 

タオル帽子って、脱毛の人が、フェイスタオルで上手に作ってかぶるのがあるんですよ。それ作って、自分たちが病院にいるとき、高価なんですよね、買えばね。ニットの帽子も。でも、1枚じゃ足りないでしょう。タオル帽子だったら、200円かなんぼで作れるんですよ。

 

――その『よろこびの会』というのは、がんになった方はどなたでも参加できるんですか。

 

はい。がん患者の集まりですから。あと、家族がなった方も入っているけども。

 

――患者会にはどういうきっかけで参加されたんですか。

 

前の会長さんが、行こう行こうって言ったけど、私「行かない、行かない、がんは嫌だ」って言ったけど、やっぱり、どこかで誰かに話しなければ、どうにも家族だけに言っても、あまりね。そこに行って、すごくこう、気持ちが安らぐのを感じたんですよ。
 家族がなった、お友達がなった、っていってもね、全然違うと思う。うちらの会員さん、「がんになって幸せだ」って言う人もいますよ。仲間がいてね。楽しいこと、旅行もできるし、みんなとね。ですから、すごく楽しいですよ。



05'09" 職場や周囲の人との関わり

 

――がんの体験はどんなものですか。

 

私、自分でがんして…よかった…というのは、お友達がね、密なお友達ができたこと。自分でがんして検診して、自分で見つけて、あと、うちの主人、5年、6年経つね。あの、膵臓、これもドックで、おかしい、っていって、膵臓だったんですよ。これは私が、がんになって「検診しなきゃダメだ。お父さんも行きなさい」って。身内にもこうしてビリビリ押し付けたのが良くて。今、膵臓っていえばほとんどイコール死ですからね。もう、症状がない。ないんですよ、うちの主人も。私ががんになったおかげで、やれ、やれ、検診やれ、ドックやれ、というのが、不幸中の幸いというんですか。そして今、元気でいるから。



06'07" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~

 

――がんの不安を抱えている方、そういった方々にメッセージを下さるとしたら、どんなことがありますか。

 

私たち『よろこびの会』でも、検診が必要ですよ、って。絶対検診してください。そして検診した結果、行かない人が多いって聞いていますので、必ず、要検査、行ってください。それ。ちょっとでもおかしいと思ったら、症状が出ない前だったら、絶対助かると思うんですよね。いっぱい症状出てからだと遅いと思いますので。検診は絶対必要だと思います。

 

――がんを体験した今だからこそ、一番伝えたいことはなんでしょうか。

 

そうですね、やっぱりあの、お友達。同じ病気した人たちと語り合える。そうすれば、良い時も悪い時も泣いてくれるし笑ってくれるし、食べに行こうか、って言ってくれるし。友達が良いですね。あの『がん友』。『がん友』って言っているんですよ。ですから、がんになって友達、普通の友達じゃ、いくら本当の友達でも、わかってくれるんだけど、わかってもらえません。ですから、やっぱり患者とお友達になっていれば、少し心が軽くなるんじゃないかと思います。