悪性リンパ腫(発症時:63歳)

収録時:74歳

女性

総時間:9'20"

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目次

00'03" がんとわかったきっかけ
01'36" 治療(手術や入院)について
05'10" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~


00'03" がんとわかったきっかけ

 

――がんがわかったというのは?

 

調子悪くて痩せてきたということで胃の検査をしましょう、というので、私は何処も痛くなかったので、ただすごく体重が減ってきて痩せてきたみたいで、周りの方の方が心配して、健康診断、保険証持って病院に行って診てもらってきてください、って周りから言われて押されて、渋々行ったという状況です。

 

――その時は、お住まいはどちらだったんですか?

 

東京都の羽村市で勉強しておりました。

 

――ご自身では自覚症状はなくて、周りの方が気づかれて、で、ぜひ検査を受けてくださいという勧めがあって。どんな検査を?

 

最初はバリウム飲んで、胃を映してね、「うーん、なんか変ですね」って、「普通じゃないですね」って、そのあと「もう一度少し詳しい検査をしましょう」って、「この次、胃カメラ内視鏡って診てみましょう」っていうんで、一週間後に胃カメラを飲んだ時の映像を、私も見せていただいて「うわぁ、これはちょっとなあ、ヤバイかな」と思ったんですね。その時もお医者さんは何だっていうことは何もおっしゃらなくて、そしたらお電話が来まして、「もう少し詳しく調べたいので一度、もう一度来てください」と言うので行ったんですね。その時に、採血が、もう沢山、10何本くらい採られて、「詳しく診ます」って。そして、「悪性リンパ腫です」ということでした。



01'36" 治療(手術や入院)について

 

――治療というのはどういうふうな経緯で進んでいったんでしょうか。

 

面談の時にね、先生が、まず最初に写真を、皆さんに見せてくださって、それで「手術をしないで化学療法でケアしていきましょう、治療していきましょう」っておっしゃったんですね。その時にみんなが、あとで聞いたんですけれども「ああ、お母さんは、もう手術できない、手術しても治らない、もう助からない、間もなく死ぬんだ」というふうに考えちゃったらしいんです。私はそう思わなかったんですけれどもね。化学療法でケアしていくということで、抗がん剤のいろんな説明、副作用の説明とかもいっぱい、もう、ありとあらゆる考えられる副作用を書いたものを渡されて、見せられて説明されたけれども、さっぱり、そんな覚えられないから「うんうん」って聞いて、そんなくらいでしたね。で、私、「質問ありませんか」って言われたときに、誰も何も言わないので、私が「できれば西洋医学ではなくて、体に優しい東洋医学の漢方薬を使って治療したいと思うんですけど先生いかがでしょうか」ってお尋ねしたら「時間がありません。もう猶予がならない状態です」って言われて、「じゃあ、おまかせします」っていうことで、全面的におまかせしました。はい。

 

――治療の期間というのはどのくらいだったんですか。

 

東京での治療はですね、1週間治療して、3週間休んで、また1週間治療して、3週間休むっていう、そういう治療法だったんです。結局、何も食べられない状態だったんですね。リキッドの飲み物の栄養摂るのをね、渡されて、1日に6缶飲むようにって。で、1200キロカロリー摂るように、って言われたけど、とてもとても飲めなくて。3つもやっと…どんどん痩せていって。で、周りにも心配かけましたけど。そういう状態で県内で入院できるところを探して。1週間治療して、間を2週間だけ置いて、また1週間治療、というふうに短くなりました。化学療法というのは抗がん剤、手術もなくて、抗がん剤だけ使いますので、めいっぱい悪い物が身体に入ってしまって。あれは大変なものですね。で、副作用とか後遺症とかとの戦いですね。

 

――どんなお気持ちで治療に臨まれました。

 

もうね、覚悟して。「このままでは死ねないな」と思って。で、とにかく「これは立ち直って克服しなきゃ」って思っていましたから。ただ、時間がかかるのと、お金がかかるのと、あと周りの皆さんにご迷惑かける、っていうのすごく考えましたね。気になりました。だから、とにかく周りに迷惑かけないように、我儘を言わないように、何とか治療に耐えて頑張ろうと思いました。



05'10" がんを体験したからこそ伝えたい思い~メッセージ~

 

――がんを体験された方だからこそ、今、多くの方に伝えたいという、そういう活動ですとか、お言葉をお持ちだと思うのですが。

 

特に最近ですね。青森県が短命県としてもすっかり有名になってしまって、それで、50代、60代でがんになって早くお亡くなりになる方が多いということで、がん、普段から健康診断を受けましょう。そして、がん検診も受けられるチャンスがあったら、ぜひ受けていただきたいということですね。で、最近伺った院長先生のお話では、青森県の方たちのがん検診の受診率は全国平均と比べて、そんなに劣ってないんだそうです。ちょっとはね、低いんですけども。そこまではいいけれども、精密検査を受けてください、と通知が来た時に受けないんだそうです。それを受けに行く人が、もう、いない。特に男性が少ないので、分かった時には手遅れの状態が多いというので、私はできるだけ検診を受けて、そして精密検査、再検とか、要精検できたらぜひ受けて欲しい。で、今はがん、即、死ではなくて、そのがんとできるだけ長く共存しながら、自分らしく生活していく期間を長くしていくための手立てがいろいろあるので、医療も進歩していますしね。抗がん剤も良くなってきてますし。だから、怖がらないで精密検査を受けて、できるだけね、自分らしく長くいられるようにしてほしい、っていうことをお伝えしたいです。

 

――そのための活動もされているんですよね。

 

今『がん患者と家族の会』に入っていまして、やっぱり、皆さんで集まってお話するときに、普段お家にいても病気についての会話はほとんどできない。で、話しても理解してもらえない。ここに来て話すと辛いことでも悩みでも聞いてもらえるんだよね、っていうことで、初めはおずおずと来て、こう、口を噤んでいた方もだんだん心を開いていろんなことを聞いたり話したりできるようになってきますので、特に同じ病名の方がいれば、いろいろ情報交換したりしていますね。そういうのがとても大事だと思います。

 

――そういうための活動というのはもっともっと広がっていくといいですよね。

 

広がってほしいです。県の連絡協議会というのがあって、いろんな方たち集まるんですけれども、やはり皆さん、それぞれに活動の仕方とか、それから皆さんの考え方とかあって、いろいろ頑張っているようですけれども、まだまだね、誤解とか、偏見とか、あるいは自分からオープンに公開したくない、っていう方はいまだに多いですしね。知られたくない。特に女性の場合は乳がんとか子宮がんとかっていうのはね、できるだけ話したくない、知られたくないという方が多いですね。その方の悩みとかいろんな立場とかを理解してあげて、支え合って行くということですね。