インタビュー:弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座 教授 水沼 英樹(2010/10/28)

 

 

インタビュー要約

 子宮がんの検診では、子宮の入口から綿棒やヘラを用いて細胞を取り、プレパラートの上に塗り、染色をしてがん細胞があるかどうかという判断を最初にします。これは痛くも痒くもないため、非常に簡単で、数分あればでる検査です。この検査で異常細胞が出ているかどうかということを判断し、それがどこから出ているかということをはっきりさせていき、がんがあるかどうか、がんがどのくらい浸潤しているか、進行しているかというような方法で診断をしていきます。

 子宮がんの診断は、まずスクリーニングとして細胞診、細胞診で何らかの異常があった人だけ次のステップとして膣拡大鏡、そして組織診という方法で進んでき、安全に行うことができ、非常に確実なものです。

 

 産婦人科の診察は、多くの施設で超音波検査もします。昔は膣鏡という特殊な器具で子宮の中を見た後、すぐ内診ということでしたが、今は必ず超音波検査をやっています。超音波検査では、卵巣の性状が非常によく分かり、子宮頸がんを簡単に今は見つけることができ、子宮体がんも比較的簡単に見つけられます。

 一番発見が遅れるのが卵巣がんであり、骨盤の奥、腹腔内にあって、なかなか自覚症状がなく、見つかった時には結構進展しているということが多いです。毎年、あるいは2年に1回は子宮がん検診、病院に行けば必ず超音波検査もしてくれますので早期発見ということにもつながります。

 バス検診でも超音波検査、検診を一緒にやっているところもありますので、子宮がんの検査と同時に超音波検査もできます。

子宮体がんは、子宮の奥深くできるようながんで、時々無症状のことがあります。それは超音波検査でがんが発見されるということもありますので、とにかくちゃんと診てもらうという習慣をつけるということが一番大事だと思います。