インタビュー:弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座 教授 水沼 英樹(2010/10/28)
インタビュー要約
子宮がんというのは、入口に出来ます。がん細胞が基底膜まで進んでいるかどうかということが最初の段階では非常に重要です。基底膜を超えていない場合には0期、もしくは上皮内がんと言い、初期で見つかる場合、削るだけでOKですので、これは子宮を残すことが可能です。
ところが、子宮の基底膜を超えてきますと、ここにリンパ管や血管がありますので、その中にがん細胞が入って行くと最悪の場合には遠隔転移起こる可能性が出てきます。
ただ、その前にこのがんの浸潤が基底膜を超えて、子宮の膣部のところに留まっているか、あるいは膣の一部のところに少し出ているか広がっているか、子宮の外に出ているかどうかということで、Ⅰ期、Ⅱ期、あるいはⅢ期、それで遠隔転移の場合にはⅣ期という形で診断をしています。
Ⅱ期くらいまでは手術の適用になりますが、Ⅲ期、あるいはⅢ期でも特に下の方に行っているか、横に行って骨盤壁の方にまで行っているような場合には手術ではどうしても取り切れませんので、放射線療法や抗がん剤を使う治療方法となります。この場合、手術の適用はなく、最初から放射線療法、あるいは抗がん剤を使うことになります。
そうすると、やはり本当に早い時期に見つかれば削るだけで済みますので、そのためには検診率を上げるということが非常に大事だと思います。