インタビュー:弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座 教授 水沼 英樹(2010/10/28)

 

 

インタビュー要約

 子宮頸がんの場合には、進行度にもよりますが、病変が子宮の外に出ているような場合には、一般的には広汎性子宮全摘出術を行います。病変が非常に狭い場合には、単純性子宮全摘と言いまして、本当に子宮だけを取るだけで済みます。

 ところが、子宮頸部の方に深く入り、子宮の外側に出ているような場合には、非常に幅広く取らざるを得なくなり、これが広汎性子宮全摘出術と言います、これは産婦人科の手術の中でも一番高度な技術が必要となり、副作用も多くなってきます。術後、下腹にリンパ液が溜まったり、あるいはリンパの流れが悪くなって足がむくんできます。また、膀胱、あるいは直腸に行く神経も切りますので、その後の特に排尿障害という後遺症が起きやすくなってきます。

 もちろん、今は必要最小限の療法、それから膀胱に行くような神経を温存するような術式がありますので、昔から比べるとかなりその障害の発生は少なくはなっているんですけれども。ただ、未だ可能性はあります。 繰り返しになりますが、いかに発見をするかということがやっぱり一番大事になってくると思います。

 

 放射線療法が最初からの適用があるのは非常に進行した症例で、外科的には取り切ることが難しい場合、放射線をかけます。それから、外科的に摘出した後、骨盤内のリンパ節にもう既に転移があった場合には、術後に放射線をかけるということもあり得ます。