インタビュー:弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座教授 大山 力 (2011/11/8)
インタビュー要約
前立腺がんの頻度を国別、人種別に見ていくと、非常に大きな差があります。
その原因は、生活環境と、元々の遺伝的なものと両方あるのではないかと考えられています。
アメリカに住んでいる日系二世の方と、ハワイに住んでいる日系二世の方と日本に住んでいる日本人の前立腺がんの頻度を比べた研究があります。前立腺がんの頻度は日本に住んでいる日本人が一番低く、ハワイに住んでいる日系の方がその次に低く、アメリカに住んでいる日系の方が一番高くなっています。
ハワイの日系の方というのは遺伝子的には日本人と全く一緒ですので、遺伝的なもの以外である食生活、あるいは性生活、そういったものが前立腺がんの発生に関与しているのではないかという調査の結果があります。
前立腺がんには直接的な関係というのはありませんが、脂っこい食事を長年取り続けると前立腺がんになりやすいのではないかという調査の結果があります。ですから、そういった脂っこい食事を控え、日本古来の、少し質素な食事を続けると前立腺がんなりにくいと考えられています。