インタビュー:弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座教授 大山 力 (2011/11/8)

 

 

インタビュー要約

 前立腺といいますのは男性にしかないもので、男性ホルモンがあると増殖します。逆に言うと、男性ホルモンをカットしてしまえば増殖はコントロールできます。

 

 昔は男性のホルモンを出している精巣(睾丸)を取る治療がありましたが、これはなかなか抵抗がある方もいました。

 約20年前、注射でこの男性のホルモンを下げることができるようになり、これを内科的去勢と言います。反対に、精巣を取ってしまうことを外科的去勢です。

 

 ホルモンを下げる注射は、4週間に1遍、あるいは12週間に1遍という間隔でします。また、飲み薬で男性ホルモンをカットするという方法もあります。

 

 その他に、男性ホルモンだと増殖するので、逆に女性ホルモンを与えるという治療方法があります。女性ホルモンを与えると、前立腺のがんは小さくなり、この作用を利用した飲み薬で、これは毎日飲む必要があります。

 

 これらの治療は、主にリンパ節や骨に転移のある方に使用しますので、比較的長い間投与をする必要がありますが、だんだん効かなくなってきます。そうなると、次は抗がん剤、化学療法となります。