インタビュー:弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座教授 大山 力 (2011/11/8)

 

 

インタビュー要約

 前立腺がんが発生しやすい場所は、尿道から少し離れた遠いところですので、小さいがんだと症状が全くありません。がんが少し大きくなり、尿道に浸潤してくると尿道を刺激しますので、おしっこが近い、あるいは出にくくなり、更に進行するとおしっこに血が混じるといった症状が出てきます。ですから、前立腺がんはかなり進行しないと症状が出にくいということになります。

 

 実際、おしっこが出にくいとかおしっこが近いというのは、高齢の方にはよくありますけれども、それは全部がんのせいではありません。多くの場合、前立腺肥大症という良性の病気です。また、排尿の症状は悪い病気が原因でない場合が多く、症状だけでは区別はつかないので、まず見ていただくことが大事です。