インタビュー:青森県立中央病院 がん診療センター長 森田 隆幸 (2011/12/7)

 

 

インタビュー要約

 2010年のがんの統計を見ると、大腸がんの罹患率は、増加傾向にあります。

 特に部位別の死亡率では、男性の場合は肺がん、胃がんに次いで第3位、女性では、第1位に上がってきています。


 人口的に見ると、高齢者の方が増えているので、高齢になってから大腸がんが発見される方が多くなってきています。


 大腸というのは大きく分けて盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸で、この部分を結腸と言います。肛門から大体15センチくらいのところまでを直腸と言い、この結腸と直腸を合わせて大腸と言います。

それで大腸の壁の構造は、粘膜、固有筋層、漿膜、この3層に分かれています。大腸の粘膜から出てきた悪性腫瘍というのが大腸がんと言われます。


 大腸の中でもS状結腸と直腸、この領域に発生するものが約65%と言われていたのですが、最近の傾向は、直腸の下部のものが減ってきて、どんどん上の方にシフトしてきています。結果的に、結腸のがんが最近増加しているというのが日本の傾向です。