インタビュー:青森県立中央病院 がん診療センター長 森田 隆幸 (2011/12/7)
インタビュー要約
ステージの0(粘膜内がん、粘膜下層に一部侵入しているがん)で、その大きさが2センチ未満の場合、内視鏡的な治療が一般的です。内視鏡的な治療ができない場合は、外科的治療になります。最近は内視鏡的な治療の進歩は著しく、ポリープの切除であれば、内視鏡的粘膜切除という方法で治療することがあります。お腹を切らずに、内視鏡を挿入するだけで治療ができるものです。
進行がんで、お腹を空ける場合でも、できるだけ患者さんの負担が少ないような小開腹の手術や、腹腔鏡下手術と言う腹腔鏡を使った手術が増えてきています。
最近の進歩として著しいのは、直腸がんの機能温存手術です。従来、直腸がんは人工肛門というイメージがあったのですが、肛門をできるだけ残す手術です。また、直腸がんの場合には手術後の排尿障害や性機能障害が出ますので、それらの機能を司る自律神経を温存する手術が標準的です。
ただ、残念ながら直腸がんの場合、肛門管にがんが侵入している場合、ストーマを作らざるを得ない患者さんもいます。
ストーマを作った場合でも、最近はストーマの装具が随分発達してきており、基幹病院の多くには皮膚排泄ケア認定看護師という専門の看護師さんがストーマケアのお手伝いをしてくれます。ストーマによって生活に支障が出ることは少なくなってきています。