インタビュー:青森県立中央病院 がん診療センター長 森田 隆幸 (2011/12/7)

 

 

インタビュー要約

 手術が終わった後は、根治度(根治性はどうだったのか)を判定します。


 外科的治療の場合

 根治度A  がんが完全に取り切れている場合

 根治度B  AとCの中間

 根治度C  がんが残っている場合


 病理検査では、その患者さんの最終的なステージ分類が出てきます。リンパ節転移の無いステージⅡまでであれば、5年生存率は7~8割となっています。


 結腸と直腸には違いがあり、リンパ節転移があるステージⅢa、Ⅲbでは、直腸がんの生存率が落ちます。まだ異論はたくさんありますが、ステージⅢa、ステージⅢbでリンパ節転移のある患者さんは手術後に補助療法が必要になってきます。


 現在、日本で行われている補助療法は、経口剤を使う方法と、それから点滴で抗がん剤を入れる方法があります。ステージⅢの大腸がんの患者さんを対象として、手術後4~8週目を原則とし、投与期間を6ヶ月以内で行います。


 最近は様々な良い、効果のある抗がん剤が出てきており、それらの薬をうまく組み合わせて使用します。

 以前であれば、切除不能大腸がんの場合、余命が半年だったものが、最近で20ヶ月を超えるまで進歩しており、これからまだまだ期待の持てる領域です。