インタビュー:弘前大学大学院医学研究科 社会医学講座 教授 中路 重之 (2010/12/10)

 

 

インタビュー要約

 がんの原因として圧倒的なものは年齢です。次に挙げるのはタバコです。タバコほどがんに影響をもつものはありません。その次が、肥満や飲酒、塩分の摂りすぎなどがあります。また、ヒトパピローマウイルスを持っていると子宮頸がんになりやすい、肝炎ウイルスを持っていると肝臓がんになりやすい、アスベスト(石綿)を吸い込むと肺がんとか悪性中皮腫になりやすい、 ヘリコバクター・ピロリ 菌を持っていると胃がんができやすくなるなどが明らかになっているところです。

 

 昔、がんは成人病と言われていました。今は生活習慣病と言いますが、成人病というのは年齢を重ねるに従って病気が増えてくるという意味を持っています。毎年1年ずつ歳を取っていきますので、年齢というものはなかなか目標になりません。しかし、生活習慣はよくすることによってがんに罹る確率が低くなる。生活習慣が悪いと若い年齢でがんに罹ってしまう確率が高くなる。生活習慣は良くも悪しくも自分で何とかできるものである、だから生活習慣病という呼び名が出てきました。目標になるということです。

 生活習慣を良くするということはすごく大切なことです。長野県の方が青森県よりも圧倒的にがんの発生率、 死亡率 が低いのですが、これも結局は生活習慣の差です。喫煙率、肥満者の割合、それからお酒をたくさん飲む人の割合、こういったもの全て長野県の方が青森県よりも良いのです。

 

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