インタビュー:弘前大学大学院医学研究科 社会医学講座 教授 中路 重之 (2010/12/10)

 

 

インタビュー要約

 若い人はほとんど病気に関心がありません。若い人にこそ一次予防を、一次予防というのは病気に、がんにならないための予防ということで、例えばタバコを吸わないとかお酒をたくさん飲み過ぎないとか運動をして肥満にしないようにしましょうとか、若い人にそういった教育を行うことが大切です。

 ところが、若い人というのはほとんど病気に興味がありません。これは学校で教える九九と同じように、正しいことを簡単に、科学的に学校で教え込んでいくという、本当に常識として、教養として、こういったものはダメなんだよ、がんというものはこういうものなんだよということを知っていただく。そうすると、人間というのは考える葦ですから、やはりその後の行動というのも違ってくるだろうと思います。いわゆる健康教育の中にがん、あるいは生活習慣病をど真ん中に入れるというのはすごく大切だと思います。

 

 子どもの時も肥満になっちゃいけないし、もちろん子ども達が喫煙するのもいけない。非常に早い時期からそういった教育も含めて必要になります。生活習慣を教えるということは、若者にとってみれば人間教育です。今、学校で一番問題になっているのは、やはり人間教育だと思います。それは、理屈や知識もももちろん大切ですが、体を動かす運動の楽しさとか、運動をすることによってストレスが発散できるとか、あるいは肥満が防止できるとか、そういった全体の実技と理論を合わせて教え込んでいくという教育が今、学校に求められているはずです。

 

 青森県は残念なことにほとんどのがんが一番、男性は特に一番 死亡率 が高い、男女でも合計で大体1位、一番悪いです。やはり、お年寄りだけじゃなく、中年だけじゃなく、若い人にも同時に健康教育というのを広げていかなくてはいけない。これが今、我々の責務であると思います。