インタビュー:弘前大学大学院医学研究科 社会医学講座 教授 中路 重之 (2010/12/10)

 

 

インタビュー要約

 がんというのは胃がんを除けばどのがんでも圧倒的に増えています。

 昔の50歳と今の50歳を比較しますと、実はがんは減ってきているのです。医学の進歩でなかなか人ががんに罹りづらくなったり、がんの治療技術が進んだということもあり、長生きするようになった。長生きしますと、がんになるという確率が高くなってきます。平均寿命は延びたけれども、その分だけがんに罹る人が増えてきて亡くなる人も増えてきた。今、がんが増えているということの本当の意味は、高齢者社会になってきたということなのです。

 国でやってきたがん対策や喫煙対策は功を奏しているわけです。功を奏したけれども、それだけ高齢者が増えてきて、またがんが増えてきているというイタチごっこになっているのです。