インタビュー:弘前大学医学部附属病院 呼吸器外科・心臓血管外科 診療准教授 對馬 敬夫 (2011/11/24)
インタビュー要約
手術療法の副作用としては、肺は切った後にまた再生してくるという臓器ではないので、肺を切ったボリュームに相当して肺機能は落ちていきます。しかし、1肺葉、あるいは2肺葉を取った程度では、手術後に仕事や運動、スポーツ等に元通りに復活されている方はたくさんいらっしゃいます。
化学療法の副作用としては、白血球の減少により、感染に対する抵抗性が落ちるということが最も怖い副作用だと思います。その他、多少の消化器症状、脱毛、あるいは間質性肺炎などがあり、肺に重篤な障害が起きるということがありますので、十分な注意が必要です。
放射線治療の副作用としては、間質性肺炎と同じ病態である肺の線維症というもので、肺の組織が硬くなって酸素が取り込めなくなるというような障害があります。その他、放射線をかけている間に起こる体の怠さ、食欲減退などの一過性の体調不良を訴える患者さんもいます。しかし、最近は放射線療法も進歩してきており、副作用が非常に少なく、通院でも行っているケースが増えてきています。