インタビュー:弘前市立病院乳腺外科科長 長谷川 善枝 (2011/11/11)

 

 

インタビュー要約

 一般的に乳がんというのは、手術をすれば病気が治るというものではなく、元々乳腺の中にできたものが知らないうちにどこかに広がり、潜伏し、やがて何年も経つと出てくるという病気です。ですから、体全体に対する治療が必要です。

 

 乳腺の中、乳管の中にがんが留まっている時点では大丈夫ですが、それが血液の中やリンパ管の中、そのような全身を回るところに入って行くと、その時期に知らないうちに転移というのが起きてきます。

 

 そして、乳がんという病気の非常に特徴的なことは、比較的大人しいタイプのものが多いので、10年以上経ってから再発する場合も中にはあります。再発は元々の病気があったところに病気が出てくるのではなく、例えば肺や骨などといった場所に病気が出てきます。

 

 様々な薬があり、1つの薬が特効薬というわけではなくて、がんのタイプに合う薬を使うことによって治療効果を上げることができます。これを個別化治療と言って、同じ乳がんであってもそのがんのタイプで治療が異なります。