診断時:60歳代前半 インタビュー時:診断から9年(2009年) 性別:男性 保健医療圏:青森地域 世帯状況: 備考: |
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たまたま私もいろいろな付き合いの人が全国にいるものだから、東京のある人に相談したんです。
「いやぁ、実はがんだって言われたんだけど」って話したんです。「あぁ、そうか。何?何のがん? 胃がん? そうか。じゃあ、あんたが良ければ東京へ出てきたら? 東京はたくさんいいお医者さんがいますよ」ということだったのさ。
私、東京で生活を4年も5年もやっていますから、東京のことわかってるし、子供たちが皆、東京に今でもいますから、東京へ行くことにしようということで、こちらで発見してくれたお医者さんに、実は、東京へ行ってまた診てもらうことになりましたと。東京へ、私の知っている人が、いいお医者さんがいくらでもいるから紹介してあげますよといういきさつだったから、私は指定された日に行ったの。
先生に「紹介状を持ってきましたか」って言われたの、青森から。紹介状を持っていかなかったんですよ。なぜ持っていかなかったかというと、こちらの先生が、いいというようなお医者さん、これが問題だと思うんだよね。
今、大分変わったと思うんだけど、私が先生に「東京に行くことになりました」って言ったら、えらい怒られたんです。すごいですよ。「どういうことですか」ってなったのさ。「東京なんか行って、どんな病院に行くかわからないけど、そんなところに行っていいのか」ってなったのさ。いいも悪いもないじゃないですか。私が選ぶわけだから。そこは自己責任ですから、自分で選んで行くんですよ。
ここなんですよ。今、一番、これから問題になっていくのは、田舎でもどこでも同じだけど、普段なじみに行っているところから病院に変えるという、セカンドオピニオン、サードとかあるじゃないですか。いやいや、先生に悪いじゃないかとか、なるでしょう? これで間違う人が多い。
実際にあるんですよ。医者選び、病院選びを間違えば、死ななくてもいいので死ぬのさ。今は大分紹介がスムーズになってきてると思うんですけど、そのときに私、言われたことを一生忘れませんよ。「どこの病院かわからない東京へ行ったって」ってガンガン怒られて、「知らんよ」って。「いや、先生そう言っても、私も向こうへ行って、近くだから、帰ってくれば、がんに限らずまたお世話になるかもしれませんから」って、「知りませんよ」って、こう来たのさ。「私はあなたを診ませんよ」となったの。