生活 / 退院後の食生活の変化
ここでは、胃がんの手術後の食生活の変化を紹介します。
今回の胃がんの体験談では、8名全員が手術治療を受けていました。全員が胃の手術をした後の変化として、食欲がおちる、食事量がへる、食べるものを選ばないとならなくなったなど、食生活が大きく変わったと感じていました。
・退院して2週間くらいは、飯、食べれなくてちょっとへずねかった(苦しかった)。(60歳代後半・男性)
・食べ物が入らなくて、少しでも食べると嫌な気分になって、せっかく食べたものが出てきそうな恐怖が、手術をして3年たった今でもあるんです。(60歳代後半・女性)
・ ご飯は一気に食べられないね。ある程度いっぱいになると、くしゃみや鼻水など変な症状が起きてくる。本当にお腹いっぱいになってしまうと、切ないのさ、本当に、苦しくて。(60歳代後半・男性)
野菜の煮物など、消化によい温かいものは食べられたけれど、体を冷やすような生野菜や果物、脂っこいものなどを食べられなくなったという方もいらっしゃいました。
・手術してから2年経ちますが、生野菜や果物は体が冷えるからだめで、煮物に脂分をとるために揚げ物を一緒にしたり、食べる物を選んでいました。(50歳代前半・女性)
ふだんの生活では自分のペースで食事ができますが、グループ旅行などの団体行動では、大勢に合わせて食事をすることや、移動中にトイレに行きたくなることなどに困るという方もいらっしゃいました。
・旅館でもホテルでも、よその人みたいに食べれない。(60歳代後半・男性)
・油ものをとるとすぐ下痢をしてしまう。一番困るのは、団体旅行に行けないこと。(60歳代後半・男性)
多くの方が、食事の回数や時間帯を調整していました。中でも仕事をされている方は、一般の食事休憩とずれるため、食べるタイミングや食べられる物を持参するなどの工夫をしていました。
・外出するときは、おむすびなど持ち歩いて、その日の体調にあわせて1日6、7食とっていました。(50歳代前半・女性)
・習慣になっているから、朝食べたら横になり、昼食べたら横になる。外食するとできないから眠くてしようがないけど、しょうがないやな。(60歳代後半・男性)
疲れを感じたら横になることを心がけているという方が複数おられました。一日寝込んでしまうのではなく、体を動かすことを意識して、疲れたらこまめに休む、という過ごし方をされていました。
・ご飯を食べたときは、30分くらい横にならないと気分が悪いんです。どうすれば楽になれるかと同じ胃がん経験者の話を聞きましたが、みなさん同じではないですものね。(60歳代後半・女性)
手術や抗がん剤治療の後、アルコールや食事がおいしくなった方もいました。
・抗がん剤をやめてビールはオーケーになりました。食事がおいしいと思えるから幸せです。(50歳代前半・女性)