診断時:50歳代後半

インタビュー時:診断から5年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:八戸地域

世帯状況:義姉夫婦と同居

備考: 

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入院しているときに「これから抗がん剤をやりますよ」ということで、そのときの恐怖が、やっぱり経験した人でないとわからないと思うんだけども、これから血管の中に何を入れられるんだろう、この先生を本当に信用していいんだろうかと思いました。

 

だってそうでしょう。今、元気にこうして、手術した後でも具合が悪いとか、吐き気がするとかそういういろいろなことがあったんですが、吐いて食べれない、物を受け付けないというのも結構あって、まだ普通の食事に戻る前ですから。

最初に抗がん剤をやったときに、その先生の顔がすごく悪魔的な顔が見えて(笑)、「私はこの先生を本当に信用して、自分の命を委ねてもいいのかな」と、「これから、血管に抗がん剤を入れてもらうんだけども、入れたら私はどうなってしまうんだろう」という恐怖がすごくありました。今でもあのときの恐怖は鮮明に覚えています。

 

「入れますよ」と注射のピストンを押したときは、足の指の先までピリピリと細かい針で皮膚を刺されたような、全身をチカチカと刺されたような、そういう感じでした。私の全身の細胞はどうなってしまうんだろうと、すごく恐怖を感じながら、恐る恐る受けたのを今でも鮮明に覚えていますね。


「今からこの薬を入れられたらどうなるのか」と思って、私の細胞が全部破壊されるんじゃないかと、そういう恐怖はありました。本当にこの先生を信用していいのか、今にでも「やめて」と言いたくなるようなそんな感じでした。でも、先生を信用して、先生にお任せして助けていただくんだからと、自分で気を持ち直したりしていました。