診断時:60歳代後半 インタビュー時:診断から1年以内(2009年) 性別:男性 保健医療圏:青森地域 世帯状況:夫婦のみ 備考: |
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今、A病院の泌尿器科と循環器に通っていますけれども、6週間に1度行っていますが、泌尿器科の先生は、PSAの数値を見ていきましょうと。経過観察という形でやっていきましょうと。ただ、がんになった以上は転移が一番懸念されまして、人間というのは、70歳になっても懸念されるものだなと。できるだけ自分の病気によって精神をさいなまされる状態が続くのでございますが、特に、夜中にトイレに起きて目が覚めた際、寝れない時間帯というのは、どうしても考えが脳裏にパッと出てきまして、がんといえば苦しむものだという考えがありますので、それにHCVのキャリアですから、いつ肝臓のほうに異変が来るか、いわんや、心臓のほうは拡張型心筋症が、今のところは小康状態だとは言われていますけれども、いつ進んでいくかというのがありますので、自分の趣味で雲散霧消しようというふうには心がけてはいますけれども、私はマイナス思考でネガティブな人間なんですが、できるだけポジティブに持っていこうとするのですが、それはディスペルトな気持ちに陥りやすいんです。そこのところはできるだけ趣味で逃れ、一種の逃避行ですね。そうするよりほかないなという毎日が続いています。
「おまえ、今何やってるんだ」と同級生あたりから言われます。「晴聴雨読(セイチョウウドク)」と言っています。「何だそれ?」と。「俺は体が悪いから耕すことができないから、聴いて読むだけだから」と。(笑)幸い、気に入った音楽がありますので、ソフトもありますので、それで当分癒そうと毎日を過ごしているわけでございます。進行していったならば、ディスペルトになるんでしょうか、どうなんでしょうか。結局、座して死を待つしかほかないのでしょうけれども、やはりそういうマイナス思考がだんだんと強くなりますね。できるだけそれから逃れようとしているのですけれども、何かの折に、ふっともたげてきますね。トリレンマでさいなまされるというのが本当につらいですね。精神的なストレスによる、自分をいじめているというか、そうなってしまうんです。強くなれないですね。