治療 / PSA値の推移と再発・転移
前立腺がんの診断、再発・転移の指標のひとつが前立腺特異抗原(PSAピーエスエー)の値です。
〈参照〉
発見
PSA値は前立腺がんの発見、診断の時だけでなく、治療後の効果や経過をみていくときにも用いられます。前立腺がんの再発・転移とは、治療後に下がったPSA値が上がったり、リンパ節や他の臓器に病変が新しくみつかることを言います。また、ホルモン療法の後、一旦下がったPSA値がまた上がることを「再燃」と呼びます。治療後のPSAの基準値(いくつ以上なら再発の疑いがあるかの値)は、受けた治療によって違うので単純に数値だけでは判断できません。
詳しくは下記を参照してください。
〈参照〉
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
がん情報サービス 前立腺がん 再発
手術療法のみを受けた場合一般的にPSA値が0.2ng/mlを超えると、再発の疑いがあるとされていますが、このほかにも手術療法の後、どのくらいの期間でPSA値が上昇しているかなど、考慮しなければならない要素があります。また放射線治療のみを受けたあとでは1.0ng/mlを超えると再発が疑われます。ただ、いくつかの治療を併用している場合にはこの基準はあてはまりません。
ここでは、PSA値の経過観察やその後の対応についての語りを紹介していますが、上記のようにその方の受けた治療法によってもその後のPSA値の基準は異なっています。またPSA値が上がった後の対応もさまざまです。
手術後PSA値が上がって再手術を受け、さらにホルモン療法を併用している方もいましたし、放射線治療をした方もいました。
●手術後PSA値が0.4か0.5に下がったが1年後に2.0になり睾丸切除の手術。一時的には下がったが、再度上昇でホルモン剤を併用したがまた上がってきている(60歳代前半・男性)
●手術後PSA値が1.8になりMRIを撮ると手術ではがんが取り切れていないことがわかった。それで放射線をやろうと(60歳代前半・男性)
ホルモン療法を受けながらPSA値を経過観察し、上がれば薬を変えることによって対応している方もいます。
●PSA値はだいたい6.4できているが、上がれば薬(ホルモン剤)を変えている。今年21.4になったが薬を変えてまた下がった(60歳代前半・男性)
一方で手術の後PSA値が下がったまま安定し、定期的に血液検査のため病院に行く以外は特に治療の必要のない方たちもいました。
●手術してから2年目だがPSA値はずっと0で、今は薬も飲んでいない。医師は5年間は気をつけるよう言われていて4ヶ月に1回検査に通っている(70歳代後半・男性)