診断時:60歳代前半

インタビュー時:診断から7年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:八戸地域

世帯状況:親子

備考:正確には子宮体がん 

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私ね、あの、ま、言ったのね、私、自分のことだから先生にね、「自分のことだから、私が何でも答えます」と言ったの。「家族は同席しているけれども、自分のことだから、自分で責任持って答えますから、先生、私に言ってください」「わかりました」と。「何でも隠さずに話してください。死ぬなら死ぬ、何カ月しかもたないとか、そういうことも隠さないできちんと言ってください」「わかりました」と。

 

それから先生もわりかしざっくばらんに言ってもらった感じがします。家族でも、自分の病気のことを代弁して言ってもらうというのは、私の存在がなくなるような感じがして。主人が病気のときも私は口を挟まないつもりです。だって、本人のことですもの。代わってやれるわけではない。

 

ただ一言、治療が終わってしばらくしたら、「次は抗がん剤はやめたほうがいいよ」と一言言いました。そのとき、私、何と言ったと思いますか。「私は自分のことだから、抗がん剤を受ける、受けないはその場になったら私が決めます。悪いけど、私に任せてください」と。

 

1回目で抗がん剤の経験があって、副作用がありましたでしょ。2回目、また抗がん剤っていって、先生から書いたものを見せられたときに質問したんですね。「これを受けなければ、先生のせっかくやってもらった抗がん剤を受けなければ、先生、私、どうなるんですか」って言ったの。そしたら、先生の顔がグッと変わったの。せっかく自分がこの人のために考えて書いてきたものでしょ。それを私がちょっと拒否するような感じで言ったから、あれはプライドが傷ついたんですね。

 

それから、先生がちょっとよそよそしくなったんですよね。結局、そのときに私が質問したら、「これを受けなければ、あなたは3年しかもちませんよ」と言ったの。3年ね。そうすれば、65歳にもならないうちに、ちょっと早いなと思ったから、「拒否します」とは言えませんでした。それで、抗がん剤を受けました。

 

それにやはり、病気になったからどうとかっていうよりも、何でも突然やってくるでしょ。最悪のことが、これからでもあると思います。そういうときに、それにきちんと向かい合って、自分が答えを出さなきゃならない、特に自分のことであれば、きちんと私は、人のアドバイスもすごくいいんですけれども、自分のことは自分でちゃんと生きてきた証として、自分のことは自分でケリをつけたいと思います。