治療 / 治療中の気持ち
がんの進行にあわせた治療を受けていても、その状況によって思いは揺らぎます。がんは、今や2人に1人ががんに罹患する時代であるにもかかわらず、がん対策に関する世論調査においては、75.7%ががんについて「こわい」と回答しています(内閣府.2007)。インタビューでは、治療のめどが立たないこと、相談相手がいない、同室者の死による不安な気持ちが語られました。なかには紹介状をこっそり開封してみた人もいました。 手記からは、がんという病気と正面から向き合うようになったことが記されていました。
・いつになったら帰れるか、もしかして(もう家には)帰れないかと、それが頭にありました。(音声なし)
いつになったら帰れるか、もしかして(もう家には)帰れないかと、それが頭にありました。
家に帰るというのがうれしいと言ったらいいのか、「家に帰れる、生きているんだな」という実感がしました。「良かった、生きている」という感じがしました。
・治療中は4週間に1回(入院しに)行くでしょう。私よりも健康な人だったのに次々と(亡くなりました)。 (周りの人たちが亡くなって)不安になりますよ。(50歳代後半・女性)
・自分ではどのように生きていけばいいのかなというのが入院中に悩みました。だれに相談するということも結局できないような、どこで聞けばいいのかわからない。(50歳代後半・女性)
・あのときもちょっと心配で、この封筒を放射線科に持って行きなさいと言うんです。パチンと封のしてあるのを、もう時効だけども、(診断書の)中を開いて見ました。(30歳代後半・女性)
・「がんに負けたくない。自分が作った病気は自分で治すんだ」という決意が湧き、この時からこのがんという病気と正面から向き合う姿勢になったような気がします。(手記)
しかしながら、泣いた後は、病気は自分が作ったもの。もっと早く医者が発見できれば良かったかもしれないが、過去を変えることはできない。今からしか始めることはできなんだ。何故か悟ることができたのです。痛いのや辛いのは大嫌いな私ですが、「がんに負けたくない。自分が作った病気は自分で治すんだ。」という決意が湧き、この時からこのがんという病気と正面から向き合う姿勢になったような気がします。