発見 / 異常の発見
ここでは、どのように子宮がんの徴候に気づいたのか、受診をするまでに、どのように感じて行動したのかについて、体験者の声を紹介しています。
子宮がんの発見には、自分自身で異常を自覚した場合と、検診で異常を指摘された場合がありました。子宮がんの主な症状は、不正性器出血であり、閉経後の出血のほか、閉経前では月経と無関係な出血、月経時に出血量が多い、おりものに血が混ざるなどが見られます。特に、子宮頸がんの初期の段階では無症状のことが多く、進行すると接触出血(性交渉後の出血など)を訴える方が多いようです。一方、子宮体がんは、病状が進行していない早い段階で出血をきたすことが多く、不正性器出血での発見が約90%と言われています。
手記およびインタビューの中で体験者は、おりものの変化や不正性器出血など何らかの徴候を感じていました。しかし、なかには、自覚症状がなく、たまたま受けた婦人科検診で見つかった人や吐き気などの体調不良をきっかけに受診して発見される人もいました。このように、子宮がんの症状には個人によって大きな違いがありました。
また、受診するきっかけやタイミングには、異常を感じてすぐに受診する人や人から勧められて受診した人、異常を感じながらも、孫の子守があるために受診する機会が持てなかった人など、個人差がありました。
不正性器出血・おりもの
・また生理かなと思ったら、それが出血しているんです。(50歳代前半・女性)
・微妙な出血は確かにちょっとあったかな(40歳代前半・女性)
・ある日突然、トイレで、ピンクのボールペンでシュッといたずらしたみたいにペーパーについたの。(テキストのみ)
(診断時50歳代後半、インタビュー時(2009年)は診断から15年)
自分で気がついたのは、平成6年9月ころかな、ある日突然、トイレで、ピンクのボールペンでシュッといたずらしたみたいにペーパーについたの。
これはおかしいと思って婦人科の病院に行ったんですよ 。
・出血があったんですよ。最初は軽いおりもので、「あれ」と思っていましたけども(40歳代後半・女性)
長らく不正性器出血があり通院していたにもかかわらず、医師より「検査は必要ない」「更年期による機能性出血」と言われ、体験者は更年期によるものと思い込んでいたところ、たまたま会社の健診で卵巣の異常を指摘され、別な病院を受診したことでがんが発見された人もいました。
また、出血の症状があり子宮がん検診を受けときに「異常なし」と言われ安心していましたが、のちに症状が悪化して子宮がんが見つかった人もいました。体験者は不正性器出血について、年齢的な身体の変化と思いこんで安心していたことや、子宮がん検診の知識がなかったこと、結婚や出産の経験がないために、婦人科の病気を意識していなかったことが発見の遅れにつながったとの語りも聞かれました。
・私は更年期なんだ、そのための出血なんだと私もそこで思い込んで(50歳代前半・女性)
・生理痛以外の痛みを感じたり、おりものが時々茶色になったりとの異常を感じていました(テキストのみ)
(診断時40歳代後半、インタビュー時(2009年)は診断から1年、子宮体がん)
平成11年から会社で毎年健康診断を受けていましたが、婦人科検診がない時もあるので、乳癌・子宮癌の検診は平成12年から市内のクリニックで毎年受けるようにしていました。
平成15年に腰痛などの体調不良があり、A病院の婦人科も受診しましたがホルモンの異常等はなしとの所見でした。
平成18年3月にリストラに遭い、9月に転職するも、怪我のため12月に退職。18年9月に婦人科を受診し、内診等もしてもらいましたが、子宮も卵巣も異常なしとのことでした。
再度就職できたのは平成19年の2月で、3月に会社で健康診断がありましたが、婦人科の検診はありませんでした。
もともと、生理痛は毎回あり、 1・2日目は鎮痛剤を飲んでいましたが、この頃から生理痛以外の痛みを感じたり、おりものが時々茶色になったりとの異常を感じていました。
平成19年度は会社の健康診断が行われないまま、平成20年3月解雇。血液検査や癌検診を含んだ健康診断は自費では無理だったのですが(国保ではなく社保継続のため)、婦人科は気になっていたので、平成20年3月31日に、いつものクリニックで子宮がん検診をしたところ、「精密検査が必要」との結果が送られてきました。前回の検診から1年半が過ぎていました。
その当時のカレンダーを見てみると、腹痛とか「ドバドバ」とかのメモがあるのです。
今になって思い返せば、平成18年頃は「もう閉経なのか?」と思うくらい生理の出血量も少ないし、日数も5日位で終わっていたのですが生理日以外の腹痛や出血、生理の2~3日目の出血が多いのが常態化していたのです。但し、多いと言ってもナプキンが1時間ももたないとか言うほどではないし、小さい血の塊が時々あるという程度でしたので、「出血が多い」との自覚が当時の自分にはなかったのです。腹痛については、クリニックの医師には「排卵痛だろう」と言われ、不正出血の件は誰も応えてくれなかったけど、自分では「そろそろ更年期だしいろいろあるさ」位に思っていましたので、市販薬で不快な症状が治まるかな― と思い、ラムールQを5月中ごろから飲み始めました。
無症状
・痛くもかゆくもない、出血もない、おりものもない、全然です(30歳代後半・女性)
体調不良
・何も全然前ぶれもなくて、夕方に帰ってきたときに、具合が悪くて吐いたんです。(50歳代前半・女性)