発見 / 病院・医師の選択
病院・医師の選択
どこの病院にかかり治療を受けるのか、自分にとって納得のできる治療を提供してくれる医師をどうやって選んだらいいのかについては、患者にとって非常に重大な問題です。
ここでは、インタビューを受けた人たちが、どのように治療する病院や医師を決めたのかについて紹介します。
インタビューでは、検診で異常が見つかると、個人病院を受診後、総合病院を紹介されるというケースが多く聞かれました。体験者たちは、地域的に治療する場所が限られているため、あまり病院の選択肢がないことや、治療後の通院環境や家族のサポートを考えて、自宅から近い病院を選択していました。
・やっぱり、自分で通える近いところがいいということで、A市のD病院で手術しました。(テキストのみ)
(診断時50歳代前半、インタビュー時(2009年)は診断から7年)
そこで10日くらい、いろいろと検査をしたけども、やっぱり大きい病院に行ってもう少し詳しく調べたほうがいいということで、そこで撮った写真を持って大きい病院に行って、さらに詳しく調べてもらったんです。
初めに行った個人の病院の先生が、どこの病院がいいって聞かれたんです。やっぱり、自分で通える近いところがいいということで、A市のD病院で手術しました。
・早いほうがいいって言われて、B病院がいいかなと思って、そちらへ行ったんですよね。(40歳代前半・女性)
・やはり遠くのほうに行けば、娘の仕事があるため、なかなか来れないでしょう。(50歳代後半・女性)
・遠いところに行くと、家族にも負担がかかるわけでしょ。(60歳代前半・女性)
体験者たちは、主治医を信頼してその方針に従っており、他の医師に相談しようとは思わなかったと語っていました。しかし、なかには、自宅から遠く離れた病院であっても評判のいい先生を求めた人や、主治医の治療に疑問を感じて苦渋の選択のもと、夫や友人からの後押しもあり別な病院を受診した人もいました。
・距離はあるんですけれども、だけども、先生は、F病院にはいい先生がいないから、自分の知っている先生がE病院にいて、その先生に紹介状を書いてあげるからって。(テキストのみ)
(診断時50歳代前半、インタビュー時(2009年)は診断から13年)
まだ早いから、今のうちだったら治るから、どこか大きい病院を紹介しますと言われて、E病院に行ったんです
距離はあるんですけれども、だけども、先生は、F病院にはいい先生がいないから、自分の知っている先生がE病院にいて、その先生に紹介状を書いてあげるからって。今のうちだったら治るから早く行きなさいって言って、私がいる前で先生に電話してくれて、ちゃんと紹介状を書いてくれたんです。それですぐに行ったんです。
・病院を変えて、別な産婦人科に行ったんです。本当に意を決して。(50歳代前半・女性)
・セカンドオピニオンとは、第2の意見、つまり、患者が現在かかっている医療機関から提供されている医療行為(治療法のみならず、主治医の診断も含まれる)に疑問を感じ、納得のために別の第2の医療機関を受診して求める意見をいいます(医学大辞典)。さらに、それは、医者をかえることではなく、 主治医との良好な関係を保ちながら、複数の医師の意見を聞くことであるという考えもあります(セカンドオピニオンネットワーク)。
インタビューでは、体験者たちは、医師との関係の善し悪しではなく、単純に第2の意見を求めることであると捉えていました。その一方で、病気をするまでセカンドオピニオンについて知らなかった人もいました。
・(セカンドオピニオンについて)全然そういうことを聞いたことがなかったんです。(テキストのみ)
(診断時50歳代前半、インタビュー時(2009年)は診断から7年)
(セカンドオピニオンについて)全然そういうことを聞いたことがなかったんです。病気になってから初めてこういう言葉を聞きました。
・私が手術したころはセカンドオピニオンも何もなかったです。(テキストのみ)
(診断時30歳代後半、インタビュー時(2009年)は診断から31年)
私が手術したころはセカンドオピニオンも何もなかったです。それこそ、この田舎じゃ通用しませんよ。東京と違いますよ。だから、もし何かあれば今は使いたいです。