発見 / 検査と診断
検査と診断
ここでは、子宮がんと診断されるまでに受けた検査に関する体験者の語りを紹介します。
わが国では、2004年より子宮頸がん検診の対象を20歳以上の女性に広げ、2年に1回の受診を推奨しています。一般的に「子宮がん検診」と言われるものには、子宮頸部と子宮体部の2種類の検査があります。
今回のインタビューや体験手記では、子宮がんには頸部と体部のがんがあることを知らない人が多く、それが子宮がん検診にも影響していました。体験者たちは、子宮がんの知識が不足していたことで、がんの発見が遅れてしまったという後悔や憤りを感じていました。
・この体がんというのを知らなかったから、子宮を診てもらったら子宮全部がわかるものだと思っていたの。(50歳代後半・女性)
・どのような検査があるのかも分からなかったので、医師に働きかけることもできなかったのです。(テキストのみ)
(診断時40歳代後半、インタビュー時(2009年)は診断から1年、子宮体がん)
検診結果はⅢaだったらしいのですが、結果の見方も分からないし、説明も同封されていなかったので、自分がどのような状態なのかも分からないまま、不安な気持ちで4月(中旬)にA病院を受診しました。
精密検査を期待して行きましたが、不正出血や腹痛の自覚症状を詳しく問診票に記入しているにも関わらず、エコーも血液検査もなく通常の子宮がん検診(頚部)を再度し、lヶ月後に来なさいというものでした。
4月の結果はIでした。医師が変わり、結果の説明を詳しくしてくれ、3ヶ月ごとの検査をして経過観察をするとのことでした。しかし、改めて考えてみると、がん検診の結果には適切な対応なのかもしれませんが、問診票の内容には全く対応していないし、私も「癌ではなかったんだ」という安心感からか、自覚症状について訴えるのを忘れているのです。
医師の対応には不満や不安がありつつも、自分自身も子宮癌の疑いをもつて自分を観察したり、子宮癌について調べることをしていませんでした。この時に、「子宮癌かも?」と思って、病気のことを少しでも調べていれば、「子宮体癌の検査もしてください!」と自分から医師に言えたのかもしれませんが、どのような検査があるのかも分からなかつたので、医師に働きかけることもできなかったのです。
7月(中旬)に再来。医師は内視鏡で内診もしてくれたのですが、検査はやはり頚部の検査のみでした。当時の自分はまだ失業中で、身体のだるさや腹痛を感じながらも、就職活動第一で過ごしていました。
8月(上旬)に結果を聞きに行きました。結果はⅢa。「次回には細胞の検査を詳しくしましょう」とのことでした。そして、10月(中旬)の再来。医師は初めて自覚症状について触れ、やはり奥も調べた方がいいと判断し、子宮体部の細胞検査をしました。
10月(下旬)に結果を聞きに行きました。細胞は癌でした。
体験手記やインタビューでは、「ひとに見られたくない」「結果を聞くのが怖い」という気持ちから子宮がん検診や受診に抵抗を感じる人がいました。
・婦人科は下を診てもらうわけですけども、それを自分で納得することがなかなかできない(50歳代後半・女性)
・結果を聞くのが怖い(テキストのみ)
(診断時50歳代前半、インタビュー時(2009年)は診断時から7年)
やっぱり健診した後の結果を聞くのが、良ければいいけども、その結果を聞くのが怖いというのもあったし、それを怖がっていれば受けられないかもしれないけども、今さら後悔したって遅いですね。
・子宮の病気とかになると、何となしに恐れを感じて行きたくないんですね。(40歳代後半・女性)
・女の人はあまり進んで行きたいところではないですよね。(40歳代後半・女性)
子宮体がん検診を受けた体験者は、検査中や検査後に、腹痛や出血などの症状がみられたことを語っていましたが、個人によって、症状の現れ方や感じ方は様々でした。
・ものすごく痛かったです。(テキストのみ)
(診断時50歳代前半、インタビュー時(2009年)は診断から4年、子宮体がん)
あれは多分、体がんの検査だと思うんですけれども、ものすごく痛くて、家に帰るときも、車を運転してもお腹が痛いですし、本当はスーパーに寄っていくつもりが寄れないで家に帰って、30分横になりました。
・強い痛みはなく、多少の出血がありました。(テキストのみ)
(診断時40歳代後半、インタビュー時(2009年)は診断から1年)
子宮体部の細胞検査をしました。「痛いと思いますが・・・」と言われましたが、強い痛みはなく、多少の出血がありました。不正出血と違い、鮮血でした。
健康診断で卵巣の異常を指摘され、確定診断のために手術で組織の一部をとり検査することで、子宮体がんが見つかった人もいました。