診断時:50歳代後半

インタビュー時:診断から8年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:上十三地域

世帯状況:

備考:正確には子宮体がん 

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抗がん剤治療が終わって2週間が過ぎたら途端に、本当に一気にですね。そしたら、髪の毛が抜けて、このままではとてもでないけども人にも会えないと思いまして、そのときに病院の売店に帽子が売っていたんですね。それを見たときに、あれは、脳外科の人を対象に売っていたと思うんですけども、この帽子だったら自分ではかぶりたくないと思いまして、私は歌舞伎が好きで、よく歌舞伎のおっかけをやっていたので、その都度、記念手ぬぐいは買って何枚か持っていたんですよ。だから、入院している間もそれで自分で適当に帽子風につくってかぶっていました。

 

手づくりの帽子屋さんを探して行って、髪の毛がなくても、室内にいてもかぶれるような帽子が欲しいって、そのときは手染めのものを買いましたね。外に出て行くときはそれをかぶって、寝ているときはその手ぬぐいなんかでつくって、そのうちに抗がん剤治療の人と一緒に部屋をされたときがあったものだから、そのときにつくってあげたり、使ったりして、そして、自分で好きなものをかぶっていました。だから、それもまた、そのときのそれに対応して、ひるまないでそれに向かっていったと言えばいいのか、そんなふうにして自分なりのおしゃれというか。

 

実際に本当に抜けたときに、本当にこれだけ見事に抜け切れるものだなって。シャンプーをしたときにやっぱり、全く何も感じないというのはうそで、女性であるからやっぱり髪の毛がなくなるということはとてもつらい。一瞬思いました。だけども、先生が、「髪の毛はね、抜けてもまた生えてくるから」って。「そうだよね」と思って。その生えてくるまでの間、一旦、秋に退院したわけだけども、春になって、半年過ぎてもまだ、かぶりものを取るような頭ではないですよね。