診断時:30歳代後半

インタビュー時:診断から31年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:上十三地域

世帯状況:夫婦のみ

備考:正確には子宮頸がん 

下↓の▶ボタンをクリックして音声を聞く事ができます。

 

食べなければ皮膚が焦げてしまうし、ただれるしね。 治療に負ければ、結局、家に帰されるんです。5日でも家に帰れば、その分、日にちがこっちに延びちゃうわけで、60回、80回の治療が終わらないと絶対に帰れないから。

 

もうね。絶対に、絶対に頑張らなくちゃと思って、先生がとにかく食べなきゃあれだから、吐いても何してもいいから、1回口に入れなさいと言うわけ。トマトでもブドウでも、果物でも何でもいいから。でも、嫌だものね、吐きたくないものね。1回入れなきゃ、基礎を入れなきゃだめと看護師さんに言われて、みんなで競争みたいにして食べるんですよ。

 

皮膚がグチャグチャになるの。そうしたら、もうこれ以上は治療できないから、この傷が治るまで帰りなさいって言われて、泣きながら帰るんです。1週間遅れたくないでしょう。 食べなければ結局負けるんです。意地汚くなりましたよ。でも、あのころは、私たちのときは長いから、「今日は何?」と仲間で出前を取っても怒られないときだったんですよ。

 

(治療に負けないためには)絶対に風邪は引かない、体力を落とさない、食べる。食べなきゃ負ける。いい細胞も死んじゃうから、絶対に口から入れようと……。