診断時:30歳代後半 インタビュー時:診断から31年(2009年) 性別:女性 保健医療圏:上十三地域 世帯状況:夫婦のみ 備考:正確には子宮頸がん |
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1つだけ嫌な思いをしたのが、昔はスーパーじゃなくて、小さいお店屋さんがあって、私が帰ってきたときに、2番目の4年生の子に買っておいでとお金を持たせて買い物をさせたら、あれは嫌だったね、本当に。お店に来たお客さんで、同級生のお母さんが「B子ちゃんのお母さんはがんだってね」と娘に言ったそうです。
その意味合いが4年生の娘にはちょっとわからないものね。でも、話し方でがんは悪いものだと思ったんじゃないの。家に帰ってきたら、「お母さんってがんなの?」って言ったんです。「だれが言っていた?」と聞いたら「こうこう」と言ったから、「大丈夫だよ。お母さんは元気になるから」と、そのときは、元気になってからそのお母さんにかかっていきましたよ。(笑)「聞きたいことがあったら私に聞いてちょうだい。子供に言ったらだめ」って言いました。
ただ、人の言葉は一番つらかったね。退院してからの言葉がね。
「B子ちゃんのお母さんはがんだね」とか、例えば、家庭のちょっとしたことで、痩せたときがあったんですが、そのときに「あの人は再発だ」ってあたりで言うし、おっぱいでも引っかかったときがあるんです。
これも市の集団検診で行ったときに、あそこはまた、お手紙をくれるんですよ。マンモグラフィをやりなさいって。触ってみたほかにちょっとおかしいなというときはこれをやって来なさいと。そのときに「ちょっとそっちの廊下で待っててください」と言われて、その廊下は集団で行くから、同じ町内の人がズラッといるんですよ。そしたら、看護師さんが「はい」って封筒をよこしたんです。「じゃあ、これ行ってきてね」って、「はい」と簡単に言って帰って来たら、もう、「あの人は乳がんだ」となっていて、それがとんでもないところから聞こえてくるんです。しゃべって、しゃべって私の耳に入ってくるときはしばらくしてからだけども、人間って何でこうなのなかと思うときがあります。こういういたわりは病気をしない人にはわからないのかなと思うときがあります、今も。
人にもあまり言えなくて、今はみんなに言うんですけども、「私、がんやった」と言えば「ええーっ?」って言うんだけども、「わかっていても言わなかったんでしょう」と言うんですけども、やっぱりそのときは言えないです。病院にいるときはあまり心配はなかったんです。
だから、絶対に人には言いたくない言葉でしたよ。言われても腹が立つし。
今は若い人たちがなっているでしょう。Lの会の会員さんでも、やっぱり言いたくない、まだ、ダメダメダメという人はいっぱいいますよ。だから、そういうところがね。
(結婚は)21歳でしたから。そんなに17~18歳で子供を産んだわけじゃないのに、頸がんというものは若いうちに、数多くどうのこうのというのは、こういう書き方はちょっと心外だよねと、たまにみんなと言うときがあります。ウイルスというけども、病気をすれば何でも本当に今までわからないことも、頭が悪くてもそういうのは入るんですよ。 今、頸がんというのは薬が出るとか何とか。
――ワクチン。
言っていたけども、性交渉でああでもない、こうでもないと本とかにそういうのが書いてあるでしょう。何で? 何で?って。結婚適齢期もそんなに遅いわけじゃなし、早いわけじゃないし、21~22歳は普通でしょうと思うんですよ。