診断時:60歳代前半

インタビュー時:診断から1年(2009年)

性別:男性   保健医療圏:青森地域

世帯状況:親子

備考:正確には直腸がん 

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――この3月の前に何か、症状みたいなのは……。

 

はっきり言って、秋口から便が細くなってきたなというのがわかったから、これはおかしいなと、自分ではそのころから、がんかもしれないなと……。

 

――がんかもしれないと思っていらした?

 

思っていました。これは直腸がんか何かだなと。いろいろな人の話を聞いても、そう話をしているから、自分の便もだんだん細くなってきたし、そして、年を越した正月をちょっと過ぎたあたりに血が混じってきたから、これは間違いがないと思ったけども、1月、2月、3月というのは、我々は小売り屋さんを集めて展示会だとか、そういうものをしょっちゅうやるものですから、忙しさに紛れて病院にも行かないで、展示会の最中に完全にもう血便で、トイレに何回も行くようになっちゃったんです。

 

――何月ですか?

 

3月の展示会のときはひどかったです。これはだめだなと思って……。

 

――どんな出血だったんですか?

 

もう便が赤くなってしまったんです。昔のA病院の外科部長をやったという先生が開業しているんですが、うちの女房がよくそこの病院に行っていたものですから、そこは痔もやるし、そういう簡単な外科手術はするしということで、そこに行ってみたら「もう5段階のうちの4段階目ですよ。急がなきゃだめですよ」と。

 

(がん)検診を受けていればもっと早くわかったかもしれませんけども、でも、わかるころはがんだったんでしょうね。早く見つかるか、見つからないかでしょうけれども。

 

――がん検診は、今まで受けたことはないんですね。

 

なかったですね。

 

――がん検診に行かなかったのは、何かあれですか?

 

いや、特に。仕事もありますから。

 

――時間が取れないということですかね。

 

ええ。間に合わなければ土曜日なんか家でやっていたりしていますから、気がそっちのほうに行かないでしょうね。

 

――やっぱり、仕事のほうが優先されちゃうんですかね。

 

そうですよね。仕事をちゃんとしなければ、20人くらいの会社だから、社員たちが路頭に迷えば困りますから、我々はつぶれてもいいんですけども、若い人たちが、毎年、18~19歳の高卒の連中が、明日から勤める場所がなくなったといえば、それこそ私が病気で死ぬよりも罪つくりですからね。まあ、検診を受けない理由にはならないでしょうけれど。

 

――でも、やっぱり、第二になっちゃうというところですよね。

 

そうですね。やっぱり仕事が最優先してしまいますね。