病気との向き合い方 / がん経験者としてのメッセージ
インタビューの中では、がんの経験者という立場から、医療や青森県に対する要望や期待についてもお話しいただきました。また、現在治療を受けている方や、将来がんになるかもしれない人々に対する助言や励ましなども、聞かせていただきました。今回のインタビューに応じてくださった方たちからのメッセージを、このトピックの中で発信したいと思います。
医学・医療に対する要望
がんになって出会う様々な困難の中には、現在の医学界や医療保健制度に由来する問題も含まれます。インタビューでは、こうした問題点の指摘とともに、要望や期待について語られました。具体的な改善の希望を語られた3人の方のお話をご紹介いたします。
・病気になると不安になるので、気軽に相談できるようなところがあるのはいいと思う。かかりつけ医もいた方がいい。(50歳代後半・男性)
・がんに関する情報をもっと公開してほしい。抗がん剤の認可にかかる時間を短縮してほしい。(50歳代前半・女性)
・小腸の方まで検査をしてくれていたら、もっと早く見つかったはず。今後は小腸も検査の対象に入れてほしいと個人的に思う。(60歳代後半・男性)
県に対する要望・期待
青森県は、人口に対するがんによる死亡者の数が全国で最も多く、がん検診の受診率は全国平均以上ではあるものの、3割にも満たないことがわかっています。(厚生労働省(2008年)「平成18年度地域保健老人保健事業報告の概況」より)
インタビューでは、受診率を上げるために、青森県が積極的なはたらきかけをしてほしいという要望が語られました。また、経済的な対策を頑張ってほしい、ホスピスを増やしてほしいといった期待も聞かれました。がんで亡くなる方を減らすために、がん患者がよりよいケアを受けるために、県に対する期待が大きいようでした。
・がん検診の受診率が上がるように、他県の制度も参考にして県が工夫をしてほしい。(50歳代前半・男性)
・経済的な問題で十分な治療を受けられていない人がいる。県として経済的な問題に取り組んでほしい。(60歳代後半・男性)
・今は、近くにホスピスがない。通っている病院にもホスピスを設置してもらいたい。(60歳代後半・女性)
がん患者へのメッセージ
インタビューでは、他のがん患者の方たちへのメッセージも語られました。ご自分のがん経験を通して、こうした方がいいと自分は思うといった助言や、自分も大丈夫だったからきっと大丈夫といった励ましなどを、ここでご紹介いたします。
・以前は、がんになったら終わりというイメージを持っていたが、今は、再発しても、こうして無事な自分を見なさい、大丈夫、と言いたい。(60歳代前半・男性)
・医師を信じること、早く治したいという気力をもつことが大事。(60歳代後半・男性)