治療 / 補完代替医療
最近は健康志向ブームの中で、日常生活における健康食品の活用や健康維持増進へのさまざまな試みへの関心が高まっています。がん治療を受けている人の間にも、病院での治療に併せて健康を増進し、自然治癒力を高めるために、相補代替療法への関心が高まっています。
相補代替療法には、例えば、鍼灸、気功、免疫療法、健康食品、ハーブ療法、温泉療法、心理療法、食事療法などさまざまなものが含まれます。
今回インタビューに応えてくださった方で、相補代替療法をおこなっている方は3人でした。その中には、漢方薬の処方を受けた人、温泉療法を行った人、食事療法の本を参考にして、健康に良い食品を食べるように心がけたり、避けた方がよい食品を避けたりして、自分のできる範囲の食事療法を取り入れている人がいました。
漢方薬
補完代替医療の最も代表的なものである漢方薬は、がんのみならず多くの病気に用いられます。最近では、保健医療の範囲で使用できる薬も多くあります。家族からの勧めで、健康増進のために、治すためでなく体力をつけるために医師から処方を受けた人もいらっしゃいました。
・乳がんの経験のある妹がずっと使っている漢方薬を処方してもらった。(60歳代後半・女性)
温泉療法
日本には、昔から随所に、「…に効く温泉」と言われる場所が沢山あります。最近は、特に温泉ブームが高まり身近な日帰り温泉にも「…に効く」と効用書きがされているのを目にします。がんになった人も、「…温泉は、がんに効く」と勧められて温泉に行っていらっしゃいます。実際に温泉入浴の後の検査で、がんが見つからなかったと体験を話されている人もいました。
・病気に勝とうと思って、皮膚に効くという熱い風呂や、八甲田の硫黄温泉に行った。(60歳代前半・女性)
食事療法
補完代替療法の一つに食事療法があります。娘の姑さんから贈られた『食事でがんが消える』という本を参考に、控えた方が良いという食品を避けて、良いと言われている食品をとるようにして、自分にできる食事療法を取り入れている人もいました。「食事療法」として意識していない場合もありますが、日常生活のなかで、食事に関して気をつけているという方が他にも複数いらっしゃいました。食事に関して語られたお話は、【生活】の<病気になってからの生活習慣や気晴らし>にもご紹介していますので、そちらも併せてご覧ください。
・食事療法の本に書いてある悪いものは取らないように心がけ、良いといわれている鶏肉と卵とか、大豆食品とかを取るようにした。(60歳代後半・女性)