生活 / 友人・知人との関わり
ここでは、友人、職場の人、近所の人との関わりについての体験をご紹介します。
友人・知人の反応
友人・知人にどのように伝えたか、そして、友人・知人ががんを知ったときの反応について、ご自身が意図せず伝わった場合も含めて、インタビューに参加してくださった方のお話をご紹介します。
友人・知人に伝えるかどうかについては、相手とのこれまでの関係や、ご本人の性格などによって異なっていました。インタビューに協力してくださった方の中には、周囲に病気のことを話すことにあまり抵抗がなかったという方がいました。周囲の人に話すことによって、他の人の体験を聞きたいという気持ちがあったそうです。
・病気を隠さずに大っぴらに言った。退院後ポストに宗教の案内などがいっぱい入っていてびっくりした。(60歳代前半・女性)
知人や仕事関係の人に自分からは伝えていませんでしたが、患者会の取材でテレビに顔が映ったために知られたという方もいました。
・テレビ番組で患者会の紹介があり、顔が映って知人にバレた。(60歳代後半・女性)
仕事を持っている人にとって、職場の人にどの程度伝えるかは悩ましい問題であると思われます。治療のために休みをとる場合には、上司には伝える必要があるでしょうが、同僚や取引先など、どのくらいまで伝えるか、ということに関しては、それぞれ事情があるようです。ある方は、ご自分では言ってもいいと思っていたそうですが、上司が内緒にしてくれていたことが分かり、気を遣って周囲には伝えなかったと語っておられました。
・会社の上司や一部の人には伝えてある。同僚には自分としては言ってもいいと思ったが、上司の気遣いを知り、伝えていない。(50歳代前半・女性)
近所づきあいに関して、複数の方のお話から、病気のことを近所にはできるだけ知られたくないと考えていることがうかがえました。手術後、トイレの回数が増え、水を流す音が多いことで近所の人に気づかれるのではないかという不安を感じている方もいました。
治療中や退院後の関わり
治療中やその後の生活の中での、友人・知人との関わりについてご紹介します。
入院中のお見舞いは励みになったということを、複数の方が語っていました。一方で、体がつらい時やねむい時はお見舞いは避けてほしいというお話も聞かれました。
また、一人暮らしの方からは、家族や親戚でなく友人が、退院後の食事の世話など日常生活をサポートしてくれたというお話が語られました。
信頼できる友人に、治療の苦しみや不安を話せることは、多くの人にとって助けになることだと思われます。高校時代からの親友に毎週会える環境にいるため、転移の不安や苦しさなどを気兼ねなく話せているという方がいました。
・高校2年のときからの親友と、転移の心配や苦しさについて、いろんな話ができる。(50歳代後半・男性)
がんを経験された方にとって、同じ病気の人との関わりは特別なものとして捉えられているようです。同じ病気の人と、これまでの友人との関わりを比較して、ギャップを感じることを語っておられた方がいました。同じ病気の人との関わりについては、<同じ病気の人との関わり>もあわせてご覧ください。
・患者友達は分かってくれると思う。今までの友達は心配はしてくれるが、ギャップを感じる時がある。(50歳代前半・女性)
趣味の仲間が支えになっていることを語る方も複数いました。直接病気のことを話さなくても、さりげなく気を遣ってくれたことがありがたかった、一緒に出かけることが楽しい、というお話が聞かれました。また、病気のことと関係のない雑談をして笑うことで気持ちが楽になるという方もいました。