病気との向き合い方 / なぜがんに?
がんになった人なら誰しも、多かれ少なかれ、「なぜ?」という疑問が頭に浮かびます。ここでは、何が原因だったのか、なぜ私なのか、といった疑問を抱いた経験について、今回インタビューに応じてくださった方々のお話をまとめました。
なぜ自分ががんに?
なぜがんができるのか、どのように発生していくのかということは、まだよくわかっていません。しかし、がんの原因を知りたいという思いは、多くの方に共通するもののようです。
今回のインタビューでも、複数の方が、自分が大腸がんになった原因について、自分なりの考えを話してくださいました。また、思い当たる原因がなく、「なぜ自分が?」という納得のいかなさを感じている人もいらっしゃいました。
・原因がわかれば、がんも治せると思うけど、誰も原因を教えてくれなかった。(60歳代後半・男性)
・思い当たる原因がまったくない。なぜなんだろうという思いがある。(60歳代後半・男性)
不健康な生活が原因
大腸がんになった原因として様々なことを考える中で、生活習慣が原因と考えている方が複数いらっしゃいました。たとえば、食事の量や内容、そして肥満も、自分なりに考えられる原因として挙げられていました。また、運動不足や不規則な生活が病気につながったという考え方も語られました。
・太っていることが原因なのではないかと思った。(60歳代前半・女性)
・不規則な生活とストレスが原因だったと思う。(60歳代前半・男性)
一方で、生活習慣に気をつけていたのに、もっと不健康な生活をしている人もいるのに、がんになってしまい、「まさか自分ががんになるとは」というショックを受けた方もおられました。続いては、生活習慣に気をつけていたにも関わらず病気になり、ストレスが原因だったと考えておられる方のお話をご紹介します。
ストレスが原因
ここまでにご紹介した方の場合、生活習慣とストレスの両方が原因になったと考えていらっしゃいましたが、生活習慣に気をつけていた場合などには、ストレスが一番の原因と考えられているようでした。仕事のストレスについては、特に、自分にあまり向いていない仕事で頑張りすぎてしまったことが、がんを招いたのではないかという思いがあるようでした。また、人間関係で悩んだこと、経済的な問題とその他の問題が重なってしまったことなど、病気になる少し前の生活の中で、強いストレスを経験していたことが、病気につながったというふうに考えていらっしゃいました。
・原因は、食生活よりも、むしろストレスだと思う。(60歳代前半・女性)
・食事には気をつけていたので、ストレスが原因だったのかなと思う。(50歳代前半・女性)
・がんになる2~3年前から仕事のストレスがあり、がんとわかったときは、やっぱりストレスだなと思った。(60歳代後半・男性)
遺伝が原因
家族や親戚にがんになった人がいる場合、遺伝的にがんになる体質だったという説明がされていました。家族や親戚にがんになった方が多い場合、遺伝が原因と考えることで、納得したり諦めたりすることがあるようです。血縁者が、大腸や直腸のがんになっていた場合だけでなく、他の部位のがんになっていた場合も、やはり遺伝的にがんになりやすい体質と考えられていました。
・兄弟のうち3人ががんになっているので、家族性もあるのかなと思う。(60歳代後半・女性)
・がん家系で、がんになりやすい体質と思って、あきらめもつく。(60歳代後半・女性)