再発・転移 / 再発・転移の発見
再発とは、「治ったと思われていたがんが、再び出現すること」、転移とは、「がん細胞が血管やリンパ管を介して、身体のあちこちに飛び火すること」です。大腸がんは、肝臓や肺・骨盤内に転移する場合が多いとされています。また、がんをとり除いた部位に再発がおこることもあります。
ここでは、大腸がんと診断されて治療を開始してから、再発や転移をした人の体験談をまとめました。
今回のインタビューでは、再発・転移は症状があらわれてから発見されるより、むしろ大腸がんの手術の後の、定期的な検査を受けるなかで発見されていました。治療のカテゴリーのトピック<術後の定期検査>にも、術後の定期検査の大切さを語ってくださった方の体験談をご紹介していますので、あわせてご覧ください。
再発・転移の診断は、始めからはっきり再発や転移が診断される場合と再発・転移の疑いが説明されて、経過を見られる場合があるようです。今回インタビューに応じてくださった人の中には、転移の疑いがあると説明され、抗がん剤治療を受けながら経過を見ている方が複数いました。
・大腸がんと同時に肝臓に転移が見つかり、その後子宮にも腫瘤が見つかり炎症といわれているが、がんに移行するかもしれない。(60歳代後半・女性)
・手術後約1年経過した。今度はCT検査で肺転移の疑いがあるといわれて、今は抗がん剤を続けて様子を見ている。症状は全くない。(50歳代前半・男性)
手術の1年半後の検査で転移の疑いがあるといわれて、他の病院で詳しい検査を受けた結果「がんは無い」と一度は否定されたにもかかわらず、その後の検査で肺への転移が発見されたた方もいました。
・PETでは、がんはないと言われたが、その2カ月後にCT検査で左と右の肺転移がわかった。(60歳代前半・男性)
その他、はっきり転移と診断はされませんでしたが、手術の時の「がんの取り残し」という説明を受けたと語られる人もいました。
・他の病院にPET検査を受けにいき、リンパ節に影が見つかった。主治医からは転移ではなく、手術の時に取りきれなかったと説明を受けた。(50歳代後半・男性)
更に、外科手術の後の詳しい検査の結果、手術前の診断とは異なる場合もあるようです。手術前には盲腸の手術をすると思い手術を受けましたが、退院後20日目の診察の際に、お腹全体にがんが広がった播種(はしゅ)転移であったことを知らされた方もいました。
・盲腸の手術をうけたつもりだったが、退院後に虫垂がんであったこと、既に「播種(はしゅ)転移」をおこしていることを告げられた。(60歳代前半・女性)
がんの治療は一般的には、5年を目途に治癒と判断されていますが、今回インタビューに応じてくださった方の中には、はじめて大腸がんの手術を受けてから、7年目に肝臓への転移がわかった人もいました。
・初めのがん治療後7年目に、CT検査で肝臓に転移していることがわかった。(60歳代前半・男性)