診断時:60歳代後半 インタビュー時:診断から1年(2009年) 性別:男性 保健医療圏:青森地域 世帯状況:親子 備考:正確には直腸がん |
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ただ、一緒に入院している人たちの話を聞いていれば、金がかかって、本当に治療がしたくてもできない人たちもいっぱいいるんだなと思った。青森県は、がん治療よりも、もっと先にやらなきゃだめなことがあるのになと思いましたね。
――切実に感じられたんですね。
ええ、そう思いました。特に60代以上の人で、例えば、まだ働けるのに職がなくて、月に10万円でも働いたら病気の薬代になるのにとか、そういう職場も何もないだろうし、だから、短命県だというのは、イコール所得の少ない県なんだなと私は思いました。
――なるほど。
ただ、沖縄の場合は暖かいからまだ長生きできるけど、ここは寒いところですから、寒さを防御するにも金がかかりますから、経済的な問題で青森県は短命県なんだろうな、一番の理由はそこでないかなと思っています。
――先ほどの方も、病気をなさったせいなのか、やっぱり、経済的に貧しい県だと切実におっしゃっていました。
そうでしょう。
――今、同じことをおっしゃるなと思っていました。
私の場合は、まだ働いて金をもらっているから、少しくらいかかってもいいよとやれるけども。
――いろいろ、ほかの方を聞かれてそう思われたんですね。
そうですね。ですから、もう少し県の人たちもそっちのほうも考えてもらわないと、ただ、がんをなくしましょうと言っても、その先にあるものを、もっと早く解決しなきゃだめなものがあるんでないかなという気がしました。