診断時:60歳代前半 インタビュー時:診断から6年(2009年) 性別:女性 保健医療圏:八戸地域 世帯状況:夫婦のみ 備考:正確には横行結腸がん |
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――先生から「がんです」というお話があったんですか?
はい、ありました。
でも、こう言われてびっくりした時って、大して驚かないのね。自分のことのように思わなくて、何というかポワンとなっちゃって、これを頭が受け付けないんです。私はあまり勉強もしない、無知のせいだったかもしれないけども、自分は病人じゃないとだけ思っていました。病気のことを受け付けない自分があって、「いやぁ」と思ってびっくりしたのと受け付ないのと、そのときを思い起こせば、どうすればいいのかパニックになって、そんな感じでした。
まず、びっくりして、家に帰ってきてから、だんだんと、ひしひしとがんということが思わさって、(がんということを思わされて)どんどん夜になるにつれて怖くなってきて、パニックみたいになって、でも、どうしようもないものね。
――そのときは、ショックが大きすぎるから、その場でワーッと泣くのではなく、家に帰ってから……
そうそう、帰ってから。そのときは受け入れられないのね。がんだって言われても、そんなはずがないと打ち消す自分があるから。えっ?と思うんだけれども、何というか受け入れていない自分があって、だから、病気の重さというのも、びっくりの仕方が皆さんのように何でも知っていれば余計にもびっくりしたかもしれないけども、私は何も知らないから、びっくりの仕方もよその人より薄かったかもしれないんです。
がんという知識に対して何も知らないから、何でも知っている人はびっくり仰天かもしれないけども、知らない人は、言われてもびっくりの仕方が違うんじゃないかと思うんです。