診断時:60歳代後半

インタビュー時:診断から2年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:八戸地域

世帯状況:夫婦のみ

備考:正確には虫垂がん 

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私、自分が受けるより、自分の身の周りの人のほうがショックが大きいんじゃないかと思ったのね、受け方がね。実際そうですよ。私なんか年だから、そうだったのかと思うけども、周りの人のショックがかなり大きいのがわかりますものね。

 

うちの人なんか見ててわかった。F病院に行くまでに、ベッドがあるでしょ。眠ってるでしょ。何気なく人がいるような気配がすると、ベッドのわきに座って泣いてんのよ。「あんた、そこで泣いてたら私、寝れないわよ」って。(笑)自分も休めないんじゃない? いやぁ、かえって本人よりも周りのほうがショックが大きいんだなと思った、私、そのとき。

 

うちの人はパソコンが嫌いで、仕事でも一切、全部私に任せてるから、だから、そういうことではいろいろ調べたことないから、事細かいことがわからないのね。先生が「大丈夫だよ。長生きさせてやるから」って言ったら、もうそれを信用してるからね。まあ、そういうことも知らないし、だから、あんまり事細かに、かえって自分の周りの人にはあんまり教えなくてもいいなと思って。自分がわかってればね。いやぁ、泣かれてたのには困ったもん。ねえ。「あんたに泣かれてたら、私、寝られないわよ」って言ってやったの。(笑)

 

あんまり事細かに、診察室に入れないほうが良かったかなと思ったりしてね。(笑)私の妹もそうだもの。診察室でおいおい泣きだして、しゃくり上げて泣いて、看護師さんが間違って、「隣に休んでいくお部屋がありますので、そこでお休みになってからお帰りください」って言われたの。「いや、患者は私なんですけど」って言ったら、看護師さんびっくりしちゃって、本人が泣き出したかと思ったらしいのね。「こっちは妹で、違うんです」って言って。(笑)それほどショック大きかったんじゃない?「だめですよ」と言われたときはね。だから、あんまりそういうのを知らないほうが、まだいいんじゃないかなと思う。よく逆だって言うけどね。本人には教えないで周りだけが知っている。周りの負担が大きいと思う。