診断時:60歳代後半

インタビュー時:診断から8年(2009年)

性別:男性   保健医療圏:青森地域

世帯状況:夫婦のみ

備考:夫婦でインタビューに参加

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(妻)タキソールとかジムザールとか、そういうのもやったりしたらしいんですが、変化が見られないというか。

 

―――それは飲み薬?

 

(妻)点滴でもやりましたね。先生もいろいろなものを試みてきたけども、去年再発したわけですね。

 

(妻)今、新聞とかで問題になったというか、話題になったイレッサという薬があるんですけども、この人にはイレッサ効くようだと先生は言うんです。ところが、親類に、そのイレッサを飲んで2週間目に亡くなった方もいるので、それを勧められて1年以上も、2年くらいも勧められたんです。

 

怖くてやらなかったんです。(笑)

 

(妻)やっぱり、身内にそういう例があると。

 

―――そうですね。なかなかできないですね。

 

そのうちに、どうせ死ぬなら死んでもいいなと思って、イレッサをやってもらったんです。

 

(妻)「今日承諾してきた」と言われたときは、「ええー」って、何か私も暗くなって、でも、効く人には効くらしいけども、確率からいって、例えば、99.8%だったか98%は効くけども、あとの2パーセントに入るんじゃないかと。そういう恐れと言えばいいんですか、そういうのがあって、先生から勧められていてもなかなかそれを飲むという返事をしないでいたんです。

 

(妻)でも、転移して、再度、先生からも言われて、この人が承諾してきたと言うから覚悟して、そういう新しいものを試みるときは大抵入院するんですよ。2週間か、最低で10日くらいか様子を見るんです。それで、小さくなったと言われました。私たち素人目で見ても、写真を見れば、イレッサを飲んでから小さくなったというのはわかるんですよ。

 

(妻)だから、主治医の先生が、この人の体質にはイレッサが合いそうだって前に言われて、でも、イレッサでいい人はいいけども、悪い例があるものですから、なかなか躊躇していたんです。

 

(妻)案の定、6錠とか大量に、毎日毎日飲んだら大きく副作用が来たので、一時中断して何カ月かたって、また何もしないでいるか、少なくてもやっぱりちょっとやったほうがいいか、試してみてると言えば失礼ですけど、そういう段階だと思います。

 

(妻)でも、調子はいいので。だから、イレッサはこの人の体質に合っているんだなと最近思うようになったんです。