生活 / がんをふりかえって(学び・後悔)
ここでは、がんを体験された方々が、がん判明から治療をしていく過程をふりかえって、そこから学んだり、したほうがよかった(しなければよかった)と後悔された内容を紹介します。
早期発見・定期健康診断について
早期発見について、語ってくださった方は多くいました。早期発見のためには、定期的な健康診断の受診が大切だと言われています。
肺がんの早期発見のきっかけとしては、頻繁な定期健診によるもののほかに、たまたま撮ったCT写真やレントゲン写真によるものが挙げられています。
・半年ごとの定期健診のおかげで早期発見につながった。(60歳代後半・男性)
・好奇心で受けたCT車での検査で早期発見し、助かった。(70歳代前半・女性)
・たまたま医師に勧められた胸のレントゲン撮影で早期発見につながったので、よかったと思っている。(70歳代後半・女性)
しかし一方で、定期健診ががんの発見に至らず、別の検査が役立った経験をお持ちの次の方は、定期健診や早期発見に対して、それほど肯定的ではありませんでした。
・定期健診では肺がんが見つからず、別の検査で見つかった。定期健診が早期発見に役立つのか疑問。(50歳代後半・男性)
医療者とのやりとりに関して
医師や看護師などの医療者とのやり取りをふりかえって、少し悔やまれている声も聞かれました。(カテゴリー「関係」のなかの「医療者」の項目を参照。)
後悔している声のひとつには、治療方法について思ったことが言えなかったことや、質問が自分のペースでできなかったことを悔やむものがありました。
・手術個所の大きさについて疑問を抱いたけれども質問できず。今となれば尋ねればよかったと思う。(70歳代前半・女性)
・体操などの手術準備に身を入れるためにも、手術個所を聞いておくべきだった。(50歳代後半・男性)
医療機関への提言
また、医療機関や行政への要望を語ってくださった方もいらっしゃいました。次の方はご自身の体験から、地方と都市部との治療体制の格差を話してくださいました。
・医療体制がもっと充実していればいいのにと思う。(60歳代前半・女性)
・定期健診よりも、高くても詳しい検査ができるシステム作りを。(50歳代後半・男性)
・これまでのがん検診を広げた検査を、行政がもっと受けやすくするシステムを。(50歳代後半・男性)
記録の重要性
がんが判明し、治療法や医師の指示などの記録を取り続けることが助けになることもあります。
次の方は、ご自身でも、手術や入院のときなどご自身が無理な時はパートナーの方でも、記録をとり続け、薄れる記憶を補ったとおっしゃっています。
・手術・入院・抗がん剤治療などの記録をとっていてよかった。(60歳代後半・男性)
がん保険の重要性
がんになった際に、経済的な支えになるものとして、がん保険が挙げられます(※「お金の問題」の項目を参照)。今回の語りのなかにも、ご自身はがん保険に入っていなかったため、入っていた方がよかったという思いを抱かれているものが見られました。