生活 / 再発予防と体調管理
ここでは、手術や放射線治療、抗がん剤治療などのがん治療を受けた後に、日常生活の中でみなさんがどのようなことに気をつけていらっしゃるか、ということについての語りをご紹介します。
それぞれの治療がはじまったあとには、食生活を改めたという方や、健診や検査・医師のアドバイスを大事にしている方がいらっしゃるようでした。また、痰や便を通して日々の体の変化に注意されている方や、早く寝る・毎日歩く、というように生活習慣・運動習慣を改めたという方もいらっしゃいました。
食生活(喫煙・飲酒)
食生活については、何を食べるか、あるいはいつ食べるかということに気をつけているという語りが見られました。具体的には、肉類や脂ものは食べない、あるいは月1、2回に控えているという方や、一日三度規則正しく食事をとるように心がけているという方がいらっしゃいました。家庭では薄味を心がけているので、外食にいくとどれもしょっぱく感じるほど、という方もいらっしゃいました。
一方で、食餌療法やサプリメントなどに抵抗感をお持ちの方もおられました。
・肉類はさけるように、お魚野菜を多くとるように。(70歳代後半・女性)
また今回のインタビューでは、がんになったことを契機に禁煙された方が複数いらっしゃいました。一般的に禁煙は大変苦しいと言われていますが、特に苦労することなくタバコをやめることができたという方がいらっしゃいました。
・がん判明後禁煙。手術前の禁煙は意外とあっさり。体的に何も感じず。(50歳代後半・男性)
また、飲酒については、「飲む量を減らした」「休肝日を最低週2日はもうけている」「もう何ヶ月も飲んでいない」という語りがありました。
健診・検査・医師のアドバイス
さらに、退院後の健診や検査(通院)を重視するという声も、複数聞かれました。
・何も悪いところがなくなったと思っても、一度病気になったのであれば定期的に通院すべきだ。(60歳代前半・男性)
・先生の言うことをしっかり聞く、10のものを10絶対守り通すことはできないから、ある程度自分なりに考え、言われた通り通院。(70歳代前半・男性)
他にも、通院を重視する理由として、がんの再発を早期に発見するためという方や、脳梗塞など別の疾患が心配だからという方がいらっしゃいました。
また、女性がかかりやすいがんの検査を、積極的に受けているという方もおられました。たとえば、退職してからも行政から案内がくる健診は毎年必ず定期的に受診しているというある女性は、総合健診に加えて婦人科健診(乳がん(触診とマンモグラフィー)と子宮がん(子宮体がんと頸がんの検査))も受けているとおっしゃっていました。
また、「風邪を引かないように」という医師のアドバイスを重視している方が複数いらっしゃいました。
・がんは風邪が一番天敵と注意されている。予防接種は必ず受ける。(70歳代前半・男性)
運動やリハビリ
運動やリハビリについての語りもいくつかみられ、日常生活の中で積極的に歩いているというお話が聞かれました。初めは疲れても、次第に慣れて運動時間を延ばしたという方もいらっしゃいます。
・自分の考えで仕事後にウォーキング。最初は30分ほどで息があがっていたが、慣れて一時間ほど歩くように。(50歳代後半・男性)
他にも、「手術前後、理学療法士と一緒にリハビリ室で、歩いたり階段を上るリハビリをした。退院後も家の周りで歩く練習をしていた。」という方がいらっしゃいました。また、他の病気(糖尿病)の対策として運動・食事管理を10年ほど続けられていて、健康管理には自信があるという方もいらっしゃいました。