治療 / 抗がん剤治療の副作用
ここでは、肺がんの抗がん剤治療による副作用に関する語りをご紹介します。
抗がん剤による副作用がどのくらい頻繁にどの程度出るのかは、抗がん剤の種類によって違うだけでなく、個人差もあります。
副作用は自分でわかる自覚的なものと、検査などによってわかる他覚的なものに大きく分けられます。
自覚的な副作用には、吐き気・嘔吐、食欲不振、口内炎、下痢、便秘、全身倦怠感、末梢神経障害(手足のしびれ)、脱毛などがあります。
他覚的な副作用には、白血球減少、貧血、血小板減少、肝機能障害、腎機能障害、心機能障害、肺障害などがあります。
その他、予期しない重い副作用があらわれ、まれに命にかかわることもあります。
自覚的な副作用
今回のインタビューでは、脱毛や吹き出物など外見上の変化を経験された方がいらっしゃる一方で、激しい疲れや集中力の低下、かゆみに悩まされたという方もいらっしゃいました。
●抗がん剤治療後しばらく経ってから髪が抜けた。吹き出物が出て、治ると跡が黒く残った(50歳代前半・男性)
●痰に血が混ざることがあった。そのことを医師に話すと、すぐ「薬をやめますか」と言われた(60歳代前半・男性)
●始めてから3ヶ月ほど、疲れが激しく力仕事ができない。一旦やめるとメキメキ体がよくなった(70歳代前半・男性)
●周囲から見て言動がおかしくなる。集中力が低下して、文章を読んでも頭に入ってこない時期があった(50歳代前半・男性)
自覚のない副作用(合併症)
インタビューを受けてくださった方の中には、白血球の減少といった自覚できない副作用の結果、合併症の危機にさらされた方や、実際に併発されたという方がいらっしゃいました。
●細胞の基準値が下がり過ぎ、合併症の危険があると言われた。そのために職場復帰も諦めざるを得なかった(60歳代前半・女性)
●イレッサ服用後、無気力に。間質性肺炎を併発していたことが判明したので中止。今はステロイド療法を経て、量を減らしてイレッサを再開している(60歳代後半・男性)