診断時:50歳代前半 インタビュー時:診断から4年(2009年) 性別:男性 在住保健圏域:青森 世帯状況:親子 備考: |
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体調は悪くないんです。私は全然悪くないんですけれども。うちの家内から「お父さん、ちょっとおかしいよ。言っていることがおかしいよ」と言われたんです。
おかしくないと思うけどなとそのときは思っていたんですが、抗がん剤治療が全部終わってから初めてわかったんですけれども、ちょっと思考力が大分落ちているというか、抗がん剤治療をして仕事をしているときに、そんなに難しくない文章、書類なんですけれども、たった2行のところを何回読んでも理解できないんです。あれっ、俺、頭がおかしくなったのかな。手術して頭が悪くなったのかな。何でこの文章の意味が何回読んでもわからないんだろうと思いました。
―――頭に入ってこない?
頭に入ってこない、理解できない。何というか、覚せい剤はやったことがないからわからないけれども、覚せい剤とかでラリッたりするとこういうふうな感じになるのかなと。結局、フワッと浮いているような状態で集中力に欠けるというか、物事に集中できないというか。休んでいる間は結構暇だから、小説とか本を読むのが好きだったんですけれども、抗がん剤をやっているときは本を読みたくないんですよ。
読んでも何かすぐ飽きるというか眠くなって、理解ができないというか読解力に欠ける部分があったからだと思うんですけれども、結局、4月の最初まで抗がん剤治療をやってて、3カ月くらいたってから初めて、やっぱりあのときおかしかったなと思いました。気がついたのは全部薬が抜けてからですよ。そのときは自分でおかしいと思っていなかったですから。