発見 / 思い当たる肺がんの原因・喫煙習慣
ここでは、がんが判明する以前の生活習慣や、親類の方々のがん経験など、がんの原因についてインタビュー協力者が心当たりに感じている事柄を紹介します。
喫煙習慣
肺がんの原因として、一般的にイメージが強いものといえば、たばこを吸う習慣があげられます。日本人を対象としたある研究では、喫煙者は男性で4.4倍、女性で2.8倍にまで肺がんリスクが上昇するという結果が出ています(※)。
今回のインタビューでも、協力者のうち半数以上の方々が、喫煙習慣と肺がんを結びつけて考えていらっしゃいました。どなたも、自分の一日に喫煙する本数が、比較的多いことはふだんから自覚していたようでした。
※国立がん研究センター「生活習慣改善によるがん予防法の開発に関する研究」
●肺がんをきっかけにたばこをやめたが、それまで1日に3箱吸うこともあった(50歳代後半・男性)
●がんが見つかるまで、強いたばこを1日1箱以上吸っていた(50歳代後半・男性)
●20代からずっと喫煙してきたが、手術を機に禁煙(70歳代前半・男性)
一方、自分ではなく、家族の喫煙習慣を原因と感じている場合もありました。喫煙者である配偶者と30年間生活してきたという方は、肺がんは副流煙が積み重なった(外側に出る煙を吸い続けた)結果だと考えておられました。
●肺がんで亡くなったご主人の副流煙を、30年以上吸っていた(70歳代後半・女性)
●宴会などで、周囲の人々の喫煙を不快に感じるようになった(60歳代後半・男性)
次の方の場合は、喫煙習慣もなく、周囲にたばこを吸う人もいなかったのに、肺がんになったケースです。たばこの害はほとんどなかったにもかかわらず、がんにかかったことを不思議に思っていました。
●両親はたばこを吸っていたが、一緒に暮らした期間はそれほど長くない(70歳代前半・女性)
体質・遺伝
親類にがんにかかった人がおり、いわゆる「がんまき(がん家系)」を意識している人や、または医師からがんにかかりやすい体質である、と言われた人もいました。肺がんではなくとも、がんを患った親がいると、診断を受けた時にその親類のことが頭に浮かぶようです。
●父親も肺がんで、兄弟もがん保険に入るなど意識している(60歳代後半・男性)
●体質的にがんが出やすいと、医師に告げられた(50歳代後半・男性)
職場の環境
今回のインタビューでは、ストレスや排気ガスなど、厳しい労働環境にさらされたことも、がんの原因に挙げられていました。東京で運転手をしていた次の方は、排気ガスをたくさん浴びてしまったことも原因の一つではないかと話していました。また次の方の場合は、夜勤が中心で不規則な生活になりがちだったことを原因としてあげていました。
●東京で20年間トラックの運転手をしていた(70歳代前半・男性)
●夜間が中心の不規則な仕事を定年まで続けた(70歳代前半・男性)