診断時:50歳代後半

インタビュー時:診断から2年(2009年)

性別:男性   保健医療圏:青森地域

世帯状況:親子

備考:前立腺がん、腎臓がんも発病
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「もう施しようもない」と言われたときは目の前が真っ暗になりました。その言い方はないだろうというくらいです。

 

――そうですね。

 

本当に言われましたよ。そのときはうちの女房もいたんですから。今思えばあまりというような言い方ですよ。

 

もちろん告知されることは、私も本も読んでいろいろなお医者さんの話も聞いています。がんなのに、本人に、まともな考えを持つ患者に隠して通るわけがないですよ。治療するわけですから。患者だって何の治療かそのうちにわかってくるわけですから、隠しようがないから告知するのは当たり前だと思いますが、その言い方、タイミングですよ。

 

だから、A病院なんかにても、今は大体、お医者さんがその場でしゃべっているようなんです。でも、ショックを受けている人は結構いますよ。我々は控室で待っているわけじゃないですか。入った人が出て来て、例えば2人で来て、奥さんなら奥さんだけ入って、私一人で聞いてくるみたいな人がガックリして出てくるんですね。そうしたら、会話したことがわかるわけですよ。今度は旦那さんらしき人がバーっと行って「何も直接、今日言うことないだろう」というみたいなことを、3回も4回も見ましたよ。