診断時:40歳代前半

インタビュー時:診断から19年(2009年)

性別:女性   保健医療圏:上十三地域

世帯状況:

備考: 

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しこりがまだ本当に、ちょっと入ったばかりだったんだって。だから、しこりを取っただけで大丈夫だと思うって先生が言ったので。

 

半年おきに、6カ月、6カ月で検診に来ていたから、しこりがちょっと入っただけで。でも、私がびっくりしてしまって、多分、顔が変な顔をしていたと思うんだよね。そうしたら、もう、めまいがしたみたいに、ショックで立てないような感じになっていたから。前々から「もしかしたらがんじゃないかな、がんじゃないかな」とういう気持ちがあったから。

 

――1年半前ですか?

 

1年半ですね。6カ月おきの3回目ですからね。

 

――そうですね。

 

その時点で、もしかしたら、もしかしたらと、すごく気になっていたから。体もかったるいし、もしかしたらという気持ちがあったのに言われたから。大丈夫だという反面、それも半分頭にあったから、すごいショックを受けました。

 

それで、先生が気休めにしようと思って、「大丈夫、大丈夫。ほら、高校生がやくざに憧れて入ろうか入るまいかってフラフラするときがあるでしょう。そういうふうな感じ。だから、Iさんの場合は、しこりの中にちょっと入っただけだから、しこりを取っただけでいい感じなんだけども、でも、万が一のことを考えて、全部取ったほうが安全ですよ」ということでリンパまで取って、筋肉とかは絶対に取らなくていいですからって。

 

乳房を取るだけだからと言うんだけども、先生の話が何て言ったかわからないような状態で。「椅子にちょっと横になって」って言って横になって。あとは、入院してすぐ取ったほうがいいねって。私は手遅れだから早く取りましょうというふうに、全部反対ばかりに考えてね。「うちの人とも相談しましょうね」と言ったのも、うちの人を連れて来てくださいということだと自分で勝手に考えて、次のときにうちの人を連れて行ったんですよね。先生に、「うちの人が来ていますけども」って言ったら、「えっ? 何で旦那さんが来たの?」って言うから、「先生が連れて来てくださいって言ったでしょう」って言ったら、「おれ、言わないよ。おうちの人とも相談して、入院の日とかを決めましょうと言ったでしょ」と。でも、私は頭がもう……。(笑)

 

――ショックで聞こえていなかったんですね。

 

それでも、うちの人と先生と3人で説明を聞きまして、本当に今はしこりのところにちょっと入っただけだけど、一応、全部取ったほうが、完全に安全ですので取りましょう、取っていいですかということを言われて。

 

――その検査の時点で、しこり自体はもう取ってあったんですか?

 

そうそう、検査のときにしこりを取って送って。それが出たり入ったりのもので、1回目、2回目に行ったときは、もう大丈夫ですよと言われたから、そういうつもりでいたのに、そうでなかったから、そのときはショックがすごく大きくて。でも、それを取ってからも気持ちでは、もしかしたら、私に本当のことを言っていないんじゃないかなと。そういう疑いのというか何を言っても。

 

うちでは、お姑さんと一緒に暮らしていたから、でも、おばあちゃんは結構、明治時代のおばあちゃんだったから、きついおばあちゃんだったんだけども、乳がんになったときから、すごくやさしくなったから、これは、先がないからやさしくするのかなと(笑)。全部反対のことばかり考えてしまってね。

 

そうです。だから、そうですよと言われたときは、ショックはショックだったんですけども、その先生が手術するのであればお願いしたい、お願いするという気持ちになりました。

 

――その説明とかが、よくわからなくなるくらいのショックだったんですね。

 

そうです。でも自分ではきっと、また半年たっても「異常ないですよ」と言われるという自信過剰じゃないですけども、そういう気持ちで行ったのに、「がんですよ」と言われたのは、ショックはすごかったですよ。

 

頭の中で、もしかしたら、がんじゃないかなというのは何割かあるから、それがもう的中したというのか、それでかなりショックだったんじゃないかなと思う。行って「乳がんですね」って言われたのよりも、半年、半年で、何でもないと言われたのがあったから、それでショックだったのかなと思います。

 

――かえってそれでショック。

 

何でもないという気持ちで行ったのに、年明けから何か体がかったるいと思ったのが、それだったんだということ、いろんなことを考えました。でも、よそに行って診てもらおうとは思わなかったです。