発見 / 異常の発見
ここでは、乳がんの兆候となる、身体の異常にどのように気づき、病院の受診に至るまでどのように感じたり行動したのかについての語りを紹介しています。
乳がんの発見に至るまでには、胸にしこりや塊といったものがあることに自分で気づいたという経緯がよくあります。今回のインタビュー協力者の大半が胸のしこりをみつけたことで病院に受診しています。普段から乳がんに気を配り、注意して触っている方もいました。
胸のしこりをみつけた際に豆腐のかすが溜まっているのではと思った方が2人いました。そのうち1人は、周囲に相談し触ってもらい、病院の受診を勧められたといいます。
・ちょっと胸を触るとコリコリしていた。それを知人にも触ってもらったところ病院にいったほうがいいと勧められた。(50歳代後半・女性)
もう1人の方は、胸を触っていて、ゴツゴツとはしていたため、豆腐かすが溜まっていると思ったそうです。また、ゴツゴツしていてコリコリとはしていなかったため、これがまさか乳がんであったとは思っていなかった、ということです。その後病院に行ったときにがんだと言われてもはじめは何かの間違いだと思い、乳がんだと信じるのに時間がかかったといいます。
・乳がんによるしこりだとは思わず、ゴツゴツした豆腐カスみたいなものだと思っていた。(60歳代後半・女性)
しこりを見つけたというだけではなく、体調が優れなかったり、腕を重く感じていたり、というような他の身体の不調を同時に感じていた方もいました。ある方は、バイクに乗っていて腕の重みを感じ、母親ががんだったことから何気なく胸を触ったらしこりをみつけたそうです。
・バイクに乗っている時に腕が重い感じがした。母親ががんだったため気になって、何気なく胸を触ったらしこりのようなものを感じてまさかと思った。(40歳代後半・女性)
ある方は日々疲れやすいと感じていたそうです。身体のケアのためにはじめたマッサージのようなものでしこりを見つけたそうですが、普段は元気だったため周囲にも大丈夫と言われたそうです。ただ、疲れやすさやだるさは続いていたため、病院に行こうと思ったそうです。
・疲れやすかったりだるかったりしていたが、それは夫が亡くなった後の心労がたたったと思っていた。そのため、しこりを見つけてもすぐに乳がんだとは思わなかった。(40歳代後半・女性)
異常を感じて病院を受診した際には、乳がんではなく乳腺が炎症を起こしていると診断された方が2人いらっしゃいました。
ある方は、しこりに気づいて病院に行った際には乳腺の炎症を指摘されたといいます。それでも定期的に検診を重ねていたそうですが、体のだるさやなんとなく熱っぽい感じなど、からだが何か違うという感じを持ち続けたことで、がんが発見された人もいました。
・しこりができて病院にいったら乳腺といわれたが、微熱がある感じや体調への違和感があった。(40歳代前半・女性)
はじめにしこりを発見したわけではなく、ギュ-っと引っ張られる痛みを感じた方もいました。その痛みを感じたときに自分で「がんができたみたい」と直感的に思ったそうですが、乳がんではなく乳腺の腫れと診断されたといいます。
・昼寝のとき胸が引っ張られる感じがして、がんだと思った。次の日病院に行ったら乳腺の腫れと言われた。(30歳代後半・女性)
この方は、その後しばらくは湿布を貼って経過観察をしていたのですが、3ヶ月後にしこりができ、そのままにしておくと乳がんになる恐れがあると医師に告げられたといいます。
・病院では乳腺の腫れと言われ、その後痛みはとれた。しかし3ヶ月後にしこりができ、放っておけばがんになると言われた。(30歳代後半・女性)
また、しこりの発見以外にも、胸の痛みを感じたり、出産後に母乳ではなく出血があった、という異常の発見の仕方もありました。
ある方は乳がんの兆候としてはしこりができるという認識しかなかったため、胸の痛みがあっても乳がんを疑うことはなかったといいます。
・胸がズキンズキンと痛くなったが、乳がんは痛くならないものだと思っていた。(50歳代前半・女性)
子どもが生まれ、授乳をしている際に母乳ではなく出血が認められたため、おかしいと思い、健診を受けにいった方もいらっしゃいました。
・娘が1歳くらいのときに母乳ではない出血があっておかしいと思った。(40歳代前半・女性)